貸金業法でいちばん大きな改正は2006年12月に公布され、2010年6月18日に完全施行されました。上限金利は年20%に下がり、借入れは原則として年収の3分の1までになりました(総量規制)。その後も、2024年4月には貸付条件をウェブで公表する義務ができ、2025年6月には罰則が拘禁刑に変わりました。2027年4月1日からは、別の法律(犯罪収益移転防止法)の規則の改正で、申込みの本人確認に「書類の写真と自撮りを送る方法」が使えなくなります。当サイトはe-Govの改正履歴を1条ずつ比べ、いつ何が変わったかを年表にしました。
この記事にはPR(広告)を含みます。条文はe-Gov法令検索(貸金業法の2017年6月版〜2028年6月版の17版、犯罪収益移転防止法施行規則の現行版と2027年4月1日施行予定版)、衆議院「制定法律」の原文(昭和58年法律第32号・平成18年法律第115号ほか)、警察庁(JAFIC)の資料、金融庁「貸金業関係資料集」で確かめています(2026年10月19日確認)。監修者はいません。
30秒で分かる結論
- いちばん大きな改正は2006年の改正。4回に分けて施行され、2010年6月18日に完全施行
- 大改正で、上限金利は年29.2%→年20%、借入れは年収の3分の1まで、「グレーゾーン金利」はなくなりました
- 2017年以降、e-Govに残る17版を当サイトで比べると、条文が変わったのは8回・のべ31か所
- 借りる人に関係が深い最近の改正は、2024年4月のウェブ公表義務と2025年6月の拘禁刑
- 2027年4月1日から、本人確認は原則マイナンバーカードなどのICチップ読み取りに変わります(犯罪収益移転防止法の規則)
「貸金業法の改正って、いつ・何が変わったの?」
「昔は金利が29%だったと聞いた」「総量規制はいつからあるの?」「最近また改正があったらしい」。消費者金融を使う前に、ルールがどう変わってきたのか気になる人は多いでしょう。
貸金業法は1983年にできてから、何度も改正されています。この記事では、大きな改正の年表 → 2006年の大改正 → 最近の改正 → これからの予定の順に、条文で確かめた内容だけを整理しました。
改正が多くて、今のルールがどれか分かりにくい
e-Gov法令検索で貸金業法の改正履歴を見ると、2017年以降だけで17の版があります。ただ、当サイトが1条ずつ比べると、半分の8回は条文の文言が変わっていませんでした。
この記事では、各改正に「借りる人への影響」を書き添えています。影響が「大」「中」のものだけ読めば、今のルールはつかめます。
結論|貸金業法の改正の歴史を年表で(1983〜2028年)
| 施行 | 主な改正の中身 | 借りる人への影響 |
|---|---|---|
| 1983年11月1日 | 「貸金業の規制等に関する法律」ができる(登録制・取立ての規制)。出資法の上限は年109.5%→年73% | 大 |
| 1986年11月 | 出資法の上限が年54.75%に | 大 |
| 1991年11月 | 出資法の上限が年40.004%に | 大 |
| 2000年6月1日 | 出資法の上限が年29.2%に(平成11年法律第155号) | 大 |
| 2003年公布 | ヤミ金対策(暴力団員等の登録拒否、取立ての禁止行為を具体的に、罰則の強化) | 中 |
| 2007年1月〜2010年6月18日 | 大改正(平成18年法律第115号)。名前が「貸金業法」に。上限金利年20%・総量規制・みなし弁済の廃止 | 大 |
| 2019年12月14日 | 登録できない人の条件を「成年被後見人」から「心身の故障」に | 小 |
| 2020年4月1日 | 民法の改正に合わせ、時効の「中断」を「完成猶予」に | 小 |
| 2021年11月1日 | 金融サービス仲介業ができたことに合わせた整理 | 小 |
| 2022年11月1日 | 債務整理を頼んだ後の取立て禁止に「弁護士法人」などを明記 | 中 |
| 2024年2月1日 | 関係する法律の名前の変更に合わせた整理 | 小 |
| 2024年4月1日 | 貸付けの条件・登録番号などをウェブで公表する義務 | 大 |
| 2025年6月1日 | 懲役・禁錮が拘禁刑に(刑法の改正) | 中 |
| 2025年10月1日 | 公正証書の電子化に合わせ、「電磁的記録」を追加 | 中 |
| 2027年4月1日 | (犯罪収益移転防止法の規則)本人確認の方法が変わる | 大 |
| 2028年6月13日 | e-Govに施行予定の版あり。ただし条文の文言は今と同じ | なし |
出典:衆議院「制定法律」の原文、貸金業法施行令附則(1983年11月1日施行)、e-Gov法令検索の改正履歴。1991年の数字は国立国会図書館の資料による。影響の大・中・小は当サイトの判断です。
2006年の大改正|4回に分けて2010年6月に完全施行
大改正(平成18年法律第115号)は、一度にすべてが始まったわけではありません。附則第1条で、条文ごとに施行日が4つに分けられています。
| 段階 | 施行日 | 始まったこと(条文で確認) |
|---|---|---|
| ① | 2007年1月20日 (公布から1か月) | 無登録営業の罰則を「5年以下・1,000万円以下」→「10年以下・3,000万円以下」に。年109.5%を超える金利の契約・受取りへの罰則も強化 |
| ② | 2007年12月19日 (施行日) | 名前を「貸金業法」に。うそや断定的な説明の禁止、自殺を保険金の対象とする生命保険の禁止、業務改善命令、貸金業協会の認可制 |
| ③ | 2009年6月18日 (施行日から1年6か月) | 貸金業務取扱主任者の試験と登録、指定信用情報機関の制度、業者の純資産を2,000万円以上に |
| ④ | 2010年6月18日 (施行日から2年6か月) | 総量規制(年収の3分の1)、出資法の上限を年29.2%→年20%、みなし弁済(第43条)の廃止、遅延損害金の上限年20%、純資産5,000万円以上、主任者の設置義務 |
出典:衆議院「制定法律」平成18年法律第115号の原文(附則第1条、第1条〜第8条)。施行日は政令による。
大改正で何が変わった?|上限金利・総量規制・グレーゾーン金利
| 項目 | 改正前 | 完全施行後(2010年6月〜) |
|---|---|---|
| 上限金利(出資法) | 年29.2% | 年20% |
| 利息制限法を超える利息 | 条件を満たせば有効(みなし弁済)=グレーゾーン金利 | 無効(第43条を削除) |
| 借りられる額 | 決まりなし | 年収の3分の1まで(総量規制) |
| 他社の借入れの確認 | 業者ごと | 指定信用情報機関の利用を義務に |
| 業者の条件 | 財産的基礎(府令で定める) | 純資産5,000万円以上、主任者を置く |
改正の前後で、貸金業界の数字も大きく変わりました(金融庁「貸金業関係資料集」)。
- 貸金業者の数:23,708者(2004年3月末)→4,057者(2010年3月末)→1,416者(2026年8月末)
- 消費者向けの平均金利:23.95%(2007年3月末)→15.26%(2025年3月末)(平均金利の推移)
- 行政処分の件数:1,596件(2005年度)→4件(2024年度)(行政処分の調べ方)
グレーゾーン金利で払いすぎた利息は「過払い金」として返してもらえる場合があります。くわしくは過払い金とはをご覧ください。
【独自集計】2017年以降の改正|e-Govの17版を1条ずつ比べた
当サイトで、e-Gov法令検索に残る貸金業法の17版(2017年6月2日版〜2028年6月13日施行予定版)を取り出し、本則の201条を1条ずつ比べました。
| 施行日 | もとの法律 | 変わった条 | 主な中身 | 影響 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年12月14日 | 令和元年法律第37号 | 7 | 登録できない人の条件(心身の故障) | 小 |
| 2020年4月1日 | 平成29年法律第45号 | 1 | 紛争解決手続の時効「完成猶予」 | 小 |
| 2021年11月1日 | 令和2年法律第50号 | 4 | 金融サービス仲介業 | 小 |
| 2022年11月1日 | 令和2年法律第33号 | 1 | 取立て規制(第21条)に弁護士法人などを明記 | 中 |
| 2024年2月1日 | 令和5年法律第79号 | 3 | 関係する法律の名前の変更 | 小 |
| 2024年4月1日 | 令和5年法律第63号 | 3 | 貸付条件・登録番号などのウェブ公表と罰則 | 大 |
| 2025年6月1日 | 令和4年法律第68号 | 11 | 懲役・禁錮→拘禁刑 | 中 |
| 2025年10月1日 | 令和5年法律第53号 | 1 | 公正証書の電子化(第20条) | 中 |
| 合計 | 31 | 変わった条は22種類。残り8回の版は文言の変化なし | - | |
※当サイトの集計(2026年10月19日、e-Gov法令API)。「変わった条」は前の版と文言が1字でも違う条の数。附則は数えていません。2028年6月13日施行予定の版は、本則の文言が今の版と同じでした。
もっとも多く変わったのは2025年6月の拘禁刑(11条)ですが、中身は刑の名前の変更です。借りる人の行動に関係するのは、2024年4月のウェブ公表義務です。
借りる人に関係する最近の改正|2022・2024・2025年
2024年4月1日|貸付条件・登録番号のウェブ公表が義務に
第14条第2項で、貸金業者は貸付けの利率、返済の方式、返済期間・回数などをウェブで公表しなければならなくなりました。第23条第2項で、商号・登録番号・登録の有効期間なども同じです。公表しない、うその内容を載せた場合は100万円以下の罰金です(第49条)。ただし、事業の規模がとても小さい業者などは除かれます。
つまり、サイトに金利や登録番号が書かれていない業者は要注意です。登録番号は金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で確かめられます(ヤミ金の見分け方)。
2022年11月1日|弁護士法人などに頼んだ後も取立て禁止
第21条第1項第9号は、債務整理を弁護士・司法書士に頼み、その通知が届いた後に、正当な理由なく電話や訪問で返済を求めることを禁止しています。この改正で、頼む先に弁護士法人・弁護士・外国法事務弁護士共同法人が明記されました。
2025年6月1日・10月1日|拘禁刑と電子の公正証書
- 拘禁刑:刑法の改正で懲役と禁錮が1つになりました。無登録営業は「10年以下の拘禁刑か3,000万円以下の罰金、または両方」です(第47条)
- 公正証書:貸金業者は、すぐに強制執行できる公正証書(特定公正証書)を作るための委任状を借りる人から取ってはいけません(第20条)。公正証書の電子化に合わせ、書面に加えて「電磁的記録」も対象になりました
2026年以降の予定|2027年4月から本人確認が変わる
| 時期 | 何が変わる | 根拠 |
|---|---|---|
| 2026年7月10日(施行済み) | 預貯金通帳・口座を人に渡す・売る行為などの罰則を引上げ | 令和8年改正 犯罪収益移転防止法 |
| 2026年10月26日 | 貸付自粛の申告が、Web・窓口ではICチップの読み取りによる本人確認に。本人のみ | 日本貸金業協会の規則 |
| 2027年4月1日 | 本人確認書類の写真と自撮りを送る方法、書類のコピーを送る方法が使えなくなる。店頭でもICチップの読み取りが原則に | 犯罪収益移転防止法施行規則の改正(3本、2025年6月・2026年3月・2026年6月公布) |
| 2027年6月9日までに | 架空名義の口座を使った新しい対策など | 令和8年改正 犯罪収益移転防止法 |
| 2028年6月13日 | e-Govに施行予定の版あり(文言の変化なし) | 令和5年法律第53号 |
出典:e-Gov法令検索(犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の改正履歴)、警察庁「犯罪収益移転防止法の概要」(令和8年8月版)・同「施行規則の改正に係るQ&A」、日本貸金業協会のお知らせ(貸付自粛制度)。
貸金業者は、犯罪収益移転防止法で本人確認(取引時確認)を義務づけられた「特定事業者」です。そのため、この規則の改正は、消費者金融の申込みの手順にも関係します。
2027年4月からの本人確認|借りる人は何を用意する?
今の規則と、2027年4月1日に施行される規則の第6条(本人確認の方法)を比べました。
| 方法 | 今(2026年10月) | 2027年4月1日から |
|---|---|---|
| 書類の写真+自撮りをアプリで送る | ○ | ×(廃止) |
| 書類の写真+銀行口座などで確認 | ○ | ×(廃止) |
| 書類のコピーを郵送+書類を転送不要郵便で受け取る | ○ | ×(住民票がない人などに限る) |
| ICチップの情報をスマホで読み取る+自撮り | ○ | ○ |
| マイナンバーカードの電子証明書(公的個人認証) | ○ | ○ |
| 住民票の写しなどの原本を郵送+書類を転送不要郵便で受け取る | ○ | ○ |
| 店頭で書類を見せる | ○ | ○(写真付きの書類はICチップの読み取りが原則) |
※当サイトがe-Govの条文(犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則 第6条第1項第1号)を比べて整理。実際の手順は各社が決めるため、申込み先の案内を確かめてください。
- 用意するもの:ICチップ付きのマイナンバーカード(または運転免許証)、NFC(読み取り機能)付きのスマホ、カードの暗証番号
- 暗証番号を忘れた人:マイナンバーカードの暗証番号は市区町村の窓口で設定し直せます。申込み前に確かめておくと安心です
- 2027年3月までに申し込んだ場合:警察庁のQ&Aでは、施行前に済ませた確認をやり直す必要はないとされています。ただし、施行前にコピーを送り、業者が受け取ったのが施行後なら、別の方法でやり直しになります
改正で今守られていること|借りる前の確かめ方
- 登録番号を確かめる:サイトに登録番号があるか、金融庁の検索で同じ会社名・電話番号か
- 金利を確かめる:利息制限法の上限は、10万円未満は年20%、100万円未満は年18%、100万円以上は年15%。これを超える利息は無効です(金利と利息の計算機)
- 借入れの合計を確かめる:消費者金融などの借入れは、原則として年収の3分の1まで(総量規制)
- 取立てのルール:正当な理由なく、夜9時〜朝8時の電話や訪問、勤務先への電話などは禁止です(貸金業法とは)
今のルールのもとで借りるなら
セントラルは、金融庁(四国財務局)に登録した貸金業者です。公式サイトで実質年率4.80〜18.00%と登録番号を公表しており、はじめての契約は契約日の翌日から最大30日間、金利0円のサービスがあります(公式)。借りるのは、年収の3分の1を超えない、返せる額だけにしましょう。
PR|金利と登録番号を公表している登録業者
セントラルは金融庁に登録された貸金業者です(四国財務局長(10)第00083号)。審査があり、借入れは総量規制により年収の3分の1まで。はじめての契約は契約日の翌日から最大30日間金利0円(公式)。返せる額だけ借りましょう。
よくある質問
貸金業法はいつ改正されましたか?
大きな改正は2006年12月20日に公布され、4回に分けて施行されて、2010年6月18日に完全施行されました。その後も2019年・2020年・2021年・2022年・2024年・2025年に改正されています。
2010年の改正貸金業法で何が変わりましたか?
上限金利が年29.2%から年20%に下がり、利息制限法を超える利息を有効にする「みなし弁済」が廃止されました。借入れは原則として年収の3分の1まで(総量規制)になり、業者の純資産は5,000万円以上が必要になりました。
総量規制はいつから始まりましたか?
2010年6月18日からです。2006年の改正法で決まり、完全施行のときに始まりました。消費者金融などの貸金業者からの借入れは、原則として年収の3分の1までです。
グレーゾーン金利はいつなくなりましたか?
2010年6月18日です。出資法の上限が年29.2%から年20%に下がり、貸金業法第43条(みなし弁済)が削除されたため、利息制限法の上限(年15〜20%)を超える利息はとれなくなりました。
最近の貸金業法の改正は何ですか?
2024年4月1日から、貸付けの利率や返済の方式、登録番号などをウェブで公表することが義務になりました。2025年6月1日には罰則の懲役・禁錮が拘禁刑に、2025年10月1日には公正証書の電子化に合わせた改正がありました。
2026年に貸金業法の改正はありますか?
2026年10月19日時点で、2026年に施行される貸金業法の改正はe-Govに登録されていません。2028年6月13日施行予定の版がありますが、当サイトが比べたところ、条文の文言は今と同じでした。
2027年4月から消費者金融の本人確認はどう変わりますか?
犯罪収益移転防止法の規則の改正で、本人確認書類の写真と自撮りをアプリで送る方法や、コピーを郵送する方法が原則使えなくなります。マイナンバーカードなどのICチップを読み取る方法や、公的個人認証が中心になります。
改正前に払いすぎた利息は返ってきますか?
利息制限法の上限を超えて払った利息は、過払い金として返してもらえる場合があります。ただし、最後の取引から10年、または過払いを知ってから5年などで時効になります。くわしくは過払い金の記事をご覧ください。
まとめ|大改正は2010年、次の変化は2027年4月の本人確認
- 大改正は2006年公布、2010年6月18日に完全施行。上限金利年20%・総量規制・グレーゾーン金利の廃止
- 2017年以降の17版を比べると、条文が変わったのは8回・のべ31か所(当サイト集計)
- 2024年4月から、金利や登録番号のウェブ公表が義務。書いていない業者は要注意
- 2025年6月から罰則は拘禁刑。無登録営業は10年以下の拘禁刑など
- 2027年4月1日から、本人確認は原則ICチップ読み取りに。マイナンバーカードの暗証番号を確かめておく
関連:貸金業法とは(5つのルール)/消費者金融の平均金利の推移/過払い金とは/行政処分の調べ方/総量規制/貸付自粛制度
確認した情報:e-Gov法令検索「貸金業法」改正履歴(2017年6月2日版〜2028年6月13日施行予定版)・「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則」(2026年8月6日施行版、2027年4月1日施行予定版)・「貸金業法施行令」附則、衆議院「制定法律」(昭和58年法律第32号・第33号、平成11年法律第155号、平成18年法律第115号)、警察庁JAFIC「犯罪収益移転防止法の概要」(令和8年8月)・「施行規則の改正に係るQ&A」、金融庁「貸金業関係資料集」(いずれも2026年10月19日確認)。PR:この記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。
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