ファクタリング(請求書買取)

取適法とは?下請法から変わった点と、フリーランス新法との違い|支払60日・手形禁止、2026年度の勧告16件を集計【2026年10月】

取適法(中小受託取引適正化法)は、2026年1月に下請法から変わった法律です。代金は受け取りから60日以内に払う決まりで、手形での支払いは禁止になりました。フリーランス新法とは、守られる人と禁止の範囲が違います。公正取引委員会の2026年度の勧告16件を種類ごとに数えました。

PR:本記事には広告リンクが含まれます。法律の一般的な説明です。個別の取引が違反かどうかは、公正取引委員会・中小企業庁の窓口や弁護士に相談してください。

30秒で分かる結論

  • 取適法は2026年1月1日に始まった、下請法の新しい形(読み方は「とりてきほう」)
  • 対象かどうかは、発注側と受ける側の資本金・従業員数と、取引の種類で決まる
  • 代金は受け取りから60日以内。手形は禁止、振込手数料を差し引くのも違反
  • フリーランス新法は、従業員のいない個人を業種を問わず守る別の法律
  • 2026年度の勧告は16件(10月9日まで)。手形払いへの勧告も2件出た

PR|60日の支払いを待てない時は

ファクタリングは手数料がかかり、審査があります。取適法の違反が疑われる時は、先に公正取引委員会・中小企業庁の窓口に相談してください。

「取引先の支払いが遅い。これは取適法違反?」で止まっていませんか?

結論取適法の対象かどうかは、自社と取引先の資本金・従業員数と、取引の種類で決まります。まず対象かを確かめます。

「納品から3か月たっても払われない」「手形で払うと言われた」「振込手数料が引かれている」。こうした悩みは、取適法で守られることがあります。ただし、すべての取引が対象ではありません。この記事では、対象の見分け方から、違反かもと思った時の相談先まで順に整理します。

「下請法」「取適法」「フリーランス新法」と名前が多く、迷うのは当然です

結論下請法は2026年1月に取適法に変わりました。フリーランス新法は2024年11月に始まった別の法律です。
名前いつから関係
下請法2025年12月まで取適法の前の名前。2025年12月までの取引に使われる
取適法2026年1月1日から下請法を改正した法律。2026年1月以降の取引に使われる
フリーランス新法(フリーランス法)2024年11月1日から従業員のいない個人などを守る、別の法律

取適法とは?正式名称と読み方、わかりやすく

結論正式名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」。読みは「とりてきほう」です。
  • 正式名称:製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律
  • 略称:中小受託取引適正化法。通称が取適法(とりてきほう)
  • 言葉の変更:「親事業者」は「委託事業者」、「下請事業者」は「中小受託事業者」、「下請代金」は「製造委託等代金」に
  • しくみ:大きな会社が小さな会社に仕事を頼む時の、支払いの遅れや減額などを防ぐ法律。違反には公正取引委員会などが勧告し、会社名が公表されます

下請法から変わった5つの点|2026年1月1日から

結論従業員数の基準、特定運送委託、手形払いの禁止、協議に応じない代金決定の禁止、言葉の変更が主な点です。
  1. 従業員数の基準を追加:資本金だけでなく、従業員300人・100人でも対象かどうかを判断
  2. 特定運送委託を追加:荷主が運送会社に運送を頼む取引も対象に
  3. 手形払いなどを禁止:手形の交付と、支払期日までに満額の現金に換えにくい支払い方法を禁止
  4. 協議に応じない一方的な代金決定を禁止:受ける側から価格の相談があったのに応じず、一方的に代金を決めることを禁止
  5. 言葉の変更:「下請」という言葉をやめ、「委託事業者」「中小受託事業者」に

このほか、公正取引委員会・中小企業庁だけでなく、事業を所管する大臣も指導・助言できるようになりました。

出典:公正取引委員会・中小企業庁「中小受託取引適正化法テキスト」(2025年11月)。

取適法の対象|資本金と従業員数の早見表

結論製造・運送などは資本金3億円・従業員300人、それ以外の役務などは5千万円・100人が区切りです。
A:物品の製造・修理、特定運送委託、プログラム作成、運送・倉庫保管・情報処理の役務
発注する側(委託事業者)受ける側(中小受託事業者)
資本金3億円超資本金3億円以下(個人を含む)
資本金1千万円超3億円以下資本金1千万円以下(個人を含む)
従業員300人超従業員300人以下(個人を含む)
B:Aにあたらない情報成果物の作成(デザイン・動画など)と役務(サービス)
発注する側(委託事業者)受ける側(中小受託事業者)
資本金5千万円超資本金5千万円以下(個人を含む)
資本金1千万円超5千万円以下資本金1千万円以下(個人を含む)
従業員100人超従業員100人以下(個人を含む)
  • 従業員数の基準は、資本金の基準が当てはまらない時に使います
  • 建設工事の請負は取適法ではなく、建設業法のルールになります
  • 受ける側に、自社の従業員数を説明する義務はありません。ただ、発注側から確認されたら答えることが望まれています

出典:公正取引委員会・中小企業庁「中小受託取引適正化法テキスト」、公正取引委員会「よくある質問(取適法)」(2026年10月16日確認)。

支払いのルール|受け取りから60日以内・手形禁止・振込手数料

結論代金は受け取りから60日以内の日を決めて払います。手形は禁止、振込手数料を差し引くのも違反です。
ルール内容
支払期日物を受け取った日(役務は提供を受けた日)から60日以内に、具体的な日を決める
書き方「〇月〇日」「毎月末日締切、翌月〇日支払」はよい。「納品後〇日以内」のように日が決まらない書き方は認められない
締切制度1か月締切なら、締切後30日以内に支払期日を決める(例:月末締め・翌月末払い)
手形禁止。手形で払うと支払遅延になり、満期日を支払日として遅延利息を計算
でんさい・一括決済支払期日までに満額の現金に換えにくいものは禁止
振込手数料受ける側が同意していても、代金から差し引くのは違反
遅延利息60日を過ぎた日から、年14.6%

手形がなくなる流れは約束手形の廃止はいつ?、でんさいを期日前にお金にする方法はでんさいの割引とファクタリングの違いで整理しています。

出典:公正取引委員会「よくある質問(取適法)」Q67・Q83・Q99、遅延利息の率を定める規則(2026年10月16日確認)。

発注する側の4つの義務と11の禁止行為

結論発注内容の明示、記録の保存、支払期日の設定、遅延利息(年14.6%)が義務。減額や買いたたきなど11の行為が禁止です。
義務(4つ)禁止行為(11)
①発注内容を書面・メールなどで示す受領拒否/支払遅延/代金の減額/返品
②取引の記録を作って保存する買いたたき/購入・利用強制/報復措置
③支払期日を60日以内に決める有償支給原材料等の対価の早期決済/不当な経済上の利益の提供要請
④遅れたら遅延利息(年14.6%)を払う不当な給付内容の変更・やり直し/協議に応じない一方的な代金決定(新設)

【独自集計】2026年度の勧告16件|取適法の適用は4件、手形は2件

結論2026年度(10月9日まで)の勧告は16件。うち10件は金型の無償保管で、手形払いへの勧告も2件出ました。

公正取引委員会の「取適法(下請法)勧告一覧」を、当サイトが違反の種類ごとに数えました。1件の勧告に複数の違反が含まれることがあります。

公正取引委員会の勧告の件数(勧告一覧を当サイト集計)
項目2025年度(4月〜3月)2026年度(4月〜10月9日)
勧告の件数39件16件
うち取適法が適用されたもの0件(施行前)4件
うち金型などの無償保管(不当な経済上の利益の提供要請)24件10件
うち代金の減額6件4件
うち手形払い(取適法の支払遅延)―2件
うち買いたたき1件2件

分かったこと

  • いちばん多いのは、取引先に金型をただで保管させる違反(2026年度は16件中10件)
  • 取適法で初めての手形払いへの勧告が、2026年9月29日と10月9日に出た。中小受託事業者11名に計約2,282万円、5名に計約387万円を手形で払っていた
  • 10月9日の勧告では、振込手数料を代金から差し引いていたことも違反とされた
  • 2025年12月までの取引には旧下請法が使われるため、2026年度でも旧下請法での勧告が多い

出典:公正取引委員会「取適法(下請法)勧告一覧」令和7年度・令和8年度(2026年10月16日確認)。会社名は載せず、件数だけを集計しました。

取適法とフリーランス新法の違い|比較表

結論取適法は資本金・従業員の差で守る法律、フリーランス新法は従業員のいない個人を業種を問わず守る法律です。
項目取適法フリーランス新法
始まり2026年1月1日(下請法を改正)2024年11月1日
守られる人資本金・従業員数が発注側より小さい会社・個人従業員を使わない個人と、代表者1人だけの法人
業種・取引製造・修理・情報成果物・役務・特定運送委託業種の限定なし
支払期日受け取りから60日以内受け取りから60日以内(従業員を使う発注者の場合)
手形禁止直ちに違反ではないが、手形以外で払うのが望ましい
禁止行為117(1か月以上の業務委託)
両方に当てはまる時同じ書面やメールで、両方の法律の記載事項をまとめて示すことができる

フリーランスの資金繰りとフリーランス新法の60日ルールは、フリーランスの資金繰りでも説明しています。

出典:公正取引委員会「フリーランス法」「フリーランス法Q&A」Q2・Q32・Q33・Q59(2026年10月16日確認)。

取適法でファクタリングは禁止?でんさい・一括決済との関係

結論ファクタリング自体は禁止ではありません。発注側が使う場合、支払期日に満額の現金を受け取れる形にする必要があります。
  • 発注側が支払い方法として使う一括決済(ファクタリング方式):制度自体は禁止されていません。ただし、受ける側が支払期日に代金の満額を現金で受け取れるよう、手数料分を上乗せするなどの措置が必要です
  • 受ける側が自分の判断で請求書を売るファクタリング:取適法とは別の話で、自分で手数料を払って入金を早める方法です
  • 手数料がかかるので、使う時は償還請求権なしの契約か、手取り額はいくらかを確かめましょう

受ける側が確かめること|違反かもと思ったら

結論発注書の支払期日と支払方法を確かめ、違反の疑いがあれば公正取引委員会・中小企業庁に相談できます。

フリーランス新法の勧告20件を違反の種類ごとに数えた結果(16件が「期日までに払わない」)と、無料の相談先の比べ方はフリーランスの報酬未払いにまとめています。

  1. 自社と取引先の資本金・従業員数を確かめ、早見表で対象か判断する
  2. 発注書・メールに支払期日(具体的な日)が書かれているか確かめる
  3. 支払いが受け取りから60日を超えていないか、手形や振込手数料の差し引きがないか確かめる
  4. 違反の疑いがあれば、公正取引委員会・中小企業庁に相談する(フリーランスはフリーランス法の違反申出窓口もある)
  5. 払われないまま期日を過ぎた代金の回収は、売掛金が払われない時の回収方法へ

60日を待てない時の資金繰り

結論取適法で支払いが早くなっても、最長60日は待つことになります。期日前の請求書を早めにお金にする方法もあります。

手形がなくなり、支払いが60日以内になっても、材料費や人件費、燃料代は先に出ていきます。どれだけ足りないかは資金繰り表で先に確かめ、時間があるなら融資を、急ぎなら期日前の請求書の売却を比べましょう。運送業の具体的な立替額は運送業の資金繰りで試算しています。

PR|期日前の請求書を、早めにお金にする

ファクタリングは手数料がかかり、審査があります。取適法の違反が疑われる時は、先に公正取引委員会・中小企業庁の窓口に相談してください。

あわせて読みたい:支払いサイトとは?数え方と60日ルール、エージェント14社の支払日

あわせて読みたい:業務委託契約書の書き方と12項目(フリーランス新法の明示)

取適法のよくある質問

結論読み方、対象、手形、振込手数料、フリーランス新法との違いについて、よく聞かれる8つにお答えします。
取適法の読み方と正式名称は?

読み方は「とりてきほう」です。正式名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」で、略称は中小受託取引適正化法です。

取適法はいつから始まりましたか?

2026年1月1日からです。2026年1月1日以降に行う製造委託などに適用され、それより前の取引には旧下請法が使われます。

取適法の対象になる資本金・従業員数は?

製造・修理・特定運送委託などは、資本金3億円・1千万円、従業員300人が区切りです。それ以外の情報成果物・役務は、資本金5千万円・1千万円、従業員100人が区切りです。

取適法で手形での支払いは禁止ですか?

禁止です。手形を交付すると支払遅延になり、満期日を支払日として遅延利息を計算します。2026年9月と10月には、手形払いを理由にした勧告も出ました。

振込手数料を代金から差し引かれるのは違反ですか?

公正取引委員会のQ&Aでは、受ける側が負担に同意していても、振込手数料を代金から差し引くことは取適法違反になるとしています。

取適法とフリーランス新法の違いは?

取適法は資本金・従業員数の差で守られる人が決まり、取引の種類も決まっています。フリーランス新法は、従業員を使わない個人などを業種に関係なく守る法律です。

取適法でファクタリングは禁止されましたか?

禁止されていません。発注側が一括決済(ファクタリング方式)で払う場合は、受ける側が支払期日に代金の満額を現金で受け取れるようにする必要があります。

取適法違反かもしれない時はどこに相談しますか?

公正取引委員会と中小企業庁に相談できます。フリーランスの場合は、公正取引委員会のフリーランス法の違反申出窓口もあります。

まとめ|取適法は60日払いと手形禁止が柱

結論取適法は60日払い・手形禁止が柱です。対象かどうかを早見表で確かめ、困ったら相談窓口へ。
  • 取適法は2026年1月1日に始まった、下請法の新しい形
  • 代金は受け取りから60日以内。手形は禁止、振込手数料の差し引きも違反
  • 2026年度の勧告は16件。金型の無償保管が10件、手形払いが2件
  • フリーランス新法は、従業員のいない個人を業種を問わず守る別の法律

関連:約束手形の廃止はいつ?/でんさいの割引とファクタリングの違い/売掛金が払われない時の回収方法/フリーランスの資金繰り

確認した情報:公正取引委員会・中小企業庁「中小受託取引適正化法テキスト」、公正取引委員会「よくある質問(取適法)」「取適法(下請法)勧告一覧」「フリーランス法Q&A」、遅延利息の率を定める規則(いずれも2026年10月16日確認)。法律の一般的な説明で、個別の取引が違反かどうか、審査結果や順位・成果を約束するものではありません。

ファクタリングの記事一覧|目的から選ぶ

すべての記事を目的別に見る(ファクタリングの記事一覧)→

まず仕組みを知る

会社を選ぶ

手数料を知る

契約前に確かめる

資金繰りを整える

-ファクタリング(請求書買取)
-, , ,

error: Content is protected !!