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経営セーフティ共済(倒産防止共済)とは|取引先が倒産した時の借入れ・節税・解約、在籍67万件で貸付は年約190件【2026年10月】

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、取引先が倒産した時に、無担保・無保証人で掛金の10倍(最高8,000万円)まで借りられる国の制度です。掛金は月5,000円〜20万円で、経費にできます。ただし、借りられるのは加入から6か月たってからです。約67万件が加入している一方、共済金の貸付は年に約190件でした。

PR:本記事には広告リンクが含まれます。制度の一般的な説明です。加入・貸付の条件や税金の扱いは、中小機構・税理士に確かめてください。

30秒で分かる結論

  • 取引先が倒産したら、回収困難な売掛金の額か、掛金総額の10倍(最高8,000万円)の少ない方まで、無担保・無保証人で借りられる
  • 掛金は月5,000円〜20万円、総額800万円まで。法人は損金、個人事業主は必要経費にできる
  • 借りられるのは加入から6か月以上・掛金6か月分以上。倒産から6か月以内に請求。夜逃げは対象外
  • 解約手当金は、12か月以上で8割以上、40か月以上で全額。受け取った時は課税される(節税というより課税の先送り)
  • 約67万件が加入。共済金の貸付は2025年度で約190件・約29億円(中小機構のグラフから読み取り)

PR|共済が使えるまでの間、資金が足りない時は

経営セーフティ共済は加入から6か月は借りられません。今すぐの資金不足には、支払期日前の請求書の売却も選べます。手数料がかかり、審査があります。

「大きな取引先が倒産したら、うちも危ない。備える方法は?」で止まっていませんか?

結論取引先の倒産に備える国の制度が、経営セーフティ共済です。入っておけば、倒産した時に無担保で借りられます。

売上の多くを1社に頼っていると、その会社が倒産した時に入金が止まり、自社も資金が尽きてしまいます(連鎖倒産)。経営セーフティ共済は、そうした事態に備えて、毎月の掛金を積み立てておく制度です。「節税になる」とも言われますが、仕組みを正しく知ってから入ることが大切です。

「節税になる」「節税にならない」と両方聞くから、迷うのは当然です

結論掛金は経費になりますが、解約手当金を受け取ると課税されます。税金がなくなるのではなく、先に送る仕組みです。

掛金を払った年は経費が増えて税金が減りますが、解約して手当金を受け取った年には、その分が利益(個人は事業所得)になります。受け取る年の利益が少ない時に解約するなど、使い方で効果が変わります。

経営セーフティ共済とは?倒産防止共済との関係をわかりやすく

結論中小機構が運営する「中小企業倒産防止共済制度」の愛称です。取引先の倒産で連鎖倒産しないための貸付制度です。
  • 正式な名前は中小企業倒産防止共済制度。経営セーフティ共済は愛称で、同じ制度です
  • 運営は独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)
  • 取引先が倒産して売掛金が回収しにくくなった時に、共済金の貸付を受けられます
  • 倒産がなくても、一時貸付金(解約手当金の範囲内)や解約手当金の受け取りができます

加入できる人|1年以上事業を続けている中小企業・個人事業主

結論1年以上事業を続けている中小企業者が対象です。個人事業主は従業員数、会社は資本金か従業員数の基準で決まります。
加入できる業種と規模(会社は資本金か従業員数のどちらかに当てはまればよい)
業種資本金(会社)常時使用する従業員
製造業・建設業・運輸業・その他3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下
ソフトウェア業・情報処理サービス業3億円以下300人以下
旅館業5,000万円以下200人以下
  • 個人事業主:引き続き1年以上事業を続け、事業所得(不動産所得)で確定申告をしている方
  • 入れない例:医療法人・農事組合法人・NPO法人・外国法人など、所得税を滞納している方など
  • 注意:一般の消費者が相手の事業者、金融業者、不動産業者など、取引先への売掛金が生じない業種は、貸付の対象にならない場合があります
  • 個人事業主の掛金は、事業所得の必要経費にできます(不動産所得などの必要経費にはできません)

出典:中小機構「経営セーフティ共済 加入資格」(2026年10月16日確認)。

共済金の借入れの条件|加入6か月・倒産から6か月以内

結論加入から6か月以上たち、6か月分以上の掛金を納め、直接の取引先が倒産し、倒産から6か月以内に請求することが条件です。
  1. 加入後6か月以上たち、かつ6か月分以上の掛金を納めている
  2. 直接の取引先が倒産した(法的整理、取引停止処分、でんさいネットの取引停止処分、私的整理、災害による不渡りなど)
  3. その倒産で売掛金債権などの回収が困難になった
  4. 倒産日から6か月以内に共済金の貸付を請求する
  • 夜逃げなどは、倒産の事実の確認が難しいため、借入れできません
  • 入る前に起きた倒産や、加入から6か月たつ前の倒産には使えません。備えは早めに

出典:中小機構「共済サポートnavi(経営セーフティ共済)」(2026年10月16日確認)。

いくら借りられる?掛金の10倍と、貸付の条件

結論回収困難な売掛金の額か、掛金総額の10倍(最高8,000万円)の少ない方まで。無利子ですが、貸付額の1割が掛金から引かれます。
借りられる額の例(中小機構の公式の例をもとに当サイト作成)
掛金総額回収困難な売掛金借りられる上限掛金から引かれる額
100万円1,500万円1,000万円(掛金の10倍)100万円
200万円(月5万円×40か月)3,000万円2,000万円(掛金の10倍)200万円
800万円5,000万円5,000万円(売掛金の額)500万円(残りの掛金は300万円)
  • 共済金の貸付は無担保・無保証人です
  • 借りると、貸付額の10分の1にあたる掛金の権利がなくなります(掛金総額から差し引かれる)
  • 返済は、貸付額に応じて5〜7年(据置6か月を含む)の毎月均等返済です

【独自集計】加入は約67万件、共済金の貸付は年に約190件

結論2025年度末の在籍は約67万件。一方、共済金の貸付は年に約100〜210件で、1件あたり約1,500万円でした。

中小機構の「現況」ページにある加入状況・貸付状況のグラフ(2021〜2025年度)から、当サイトがグラフの目盛りをもとに値を読み取りました。

経営セーフティ共済の加入と共済金の貸付(中小機構のグラフから当サイトが読み取った目安)
年度新しい加入在籍共済金の貸付件数貸付額
2021年度約7.5万件約59万件約100件約15億円
2022年度約6.0万件約62万件約150件約17億円
2023年度約6.3万件約64万件約210件約33億円
2024年度約7.1万件約66万件約160件約25億円
2025年度約5.4万件約67万件約190件約29億円

分かったこと

  • 在籍は5年で約59万件→約67万件に増えた。中小機構の公表では、2026年3月末で約67万の企業・事業者が加入し、共済金の貸付は累計約27万件・約1兆9,000億円
  • 一方、ここ5年の共済金の貸付は年に約100〜210件。在籍67万件に対して、1年に借りるのは約0.03%で、多くの加入者は万一の備え・積立として使っている
  • 1件あたりの貸付は約1,500万円(2025年度:約29億円÷約190件)
  • 新しい加入は2024年度の約7.1万件から2025年度は約5.4万件に減った。2024年10月から、解約して2年以内に再加入した場合の掛金が経費にできなくなった時期と重なる

出典:中小機構「経営セーフティ共済 現況」(2026年3月末現在)のグラフ「加入状況」「共済金貸付状況」。グラフの目盛りから当サイトが読み取った目安で、正確な値ではありません。

掛金は経費になる|節税になる・ならないの本当のところ

結論掛金は全額を経費にでき、その年の税金は減ります。ただし解約手当金は受け取った年の収入になり、課税されます。
  • 掛金は、法人は損金、個人事業主は事業所得の必要経費にできます
  • 解約手当金は、受け取った時点で法人は益金、個人は事業所得になります
  • つまり、払った年に減った税金を、受け取る年に払うのが基本。利益が多い年に掛金を払い、利益が少ない年(赤字の年や、設備投資・退職金を出す年など)に解約すると、税金を平らにできます
  • 2024年10月1日以後に解約して再加入した場合、解約から2年間に払う掛金は経費にできません
  • 掛金の前納もできます。経費にできる範囲は税理士に確かめましょう

出典:中小機構「経営セーフティ共済 制度の概要」「共済サポートnavi」(2026年10月16日確認)。

解約手当金と一時貸付金|12か月未満は掛け捨て

結論12か月以上で掛金総額の8割以上、40か月以上で全額が戻ります。急ぎの時は解約せずに一時貸付金も使えます。
掛金を納めた月数自己都合で解約した時に戻る額
12か月未満戻らない(掛け捨て)
12か月以上40か月未満掛金総額の8割以上
40か月以上掛金総額の全額
  • 一時貸付金:取引先が倒産していなくても、掛金を12か月以上納めていれば、解約手当金の範囲内で借りられます
  • 掛止め:掛金総額が掛金月額の40倍に達した後は、掛金の払い込みを止めることができます。上限は掛金総額800万円です

デメリット・注意点5つ

結論加入直後は借りられない、12か月未満は掛け捨て、借りると掛金が1割減る、解約時に課税、業種によっては貸付対象外です。
  1. 加入から6か月たたないと借りられない:今すぐの資金不足には使えない
  2. 12か月未満で解約すると掛け捨て
  3. 借りると、貸付額の1割の掛金がなくなる
  4. 解約手当金は課税される:受け取る年の利益が大きいと税金も大きくなる
  5. 売掛金が生じない業種は貸付の対象外になる場合がある:一般消費者が相手の事業者など

ほかの制度との違い|小規模企業共済・セーフティネット保証・公庫

結論経営セーフティ共済は倒産への備え、小規模企業共済は経営者の退職金。倒産の後は保証1号と公庫も使えます。

小規模企業共済の掛金・節税額の目安・貸付の金利と条件は小規模企業共済の貸付制度と金利でくわしく説明しています。

制度目的取引先が倒産した時
経営セーフティ共済取引先の倒産への備え(会社・個人事業主の事業の制度)掛金の10倍まで無担保で借入れ(加入6か月以上)
小規模企業共済小規模企業の経営者・個人事業主の退職金づくり倒産のための貸付ではない
セーフティネット保証1号連鎖倒産の防止(保証協会の別枠保証)指定された大型倒産に50万円以上の売掛金などで、別枠の保証付き融資
公庫の取引企業倒産対応資金取引先の倒産で困った時の融資別枠3,000万円(50万円以上の売掛金など)

取引先が倒産した時の手順全体は取引先が倒産したら売掛金はどうなる?で整理しています。

今すぐ資金が足りない時と、もう1つの備え

結論共済は加入から6か月は借りられません。今すぐの不足は期日前の請求書の売却も。償還請求権なしなら倒産リスクも移せます。
  • 経営セーフティ共済は、加入してから6か月は共済金を借りられません。今月の支払いには間に合いません
  • 入金が足りない時は、ほかの取引先の支払期日前の請求書を売って、先にお金にする方法があります
  • 償還請求権なしの契約で売掛金を売れば、売った後で取引先が倒産しても、売った側が代わりに払う必要はありません(償還請求権とは)
  • 手数料がかかるので、資金繰り表で足りない分だけにしましょう

PR|今すぐの不足は、期日前の請求書をお金にする

経営セーフティ共済は加入から6か月は借りられません。今すぐの資金不足には、支払期日前の請求書の売却も選べます。手数料がかかり、審査があります。

加入の手続き|窓口・オンライン

結論金融機関や商工会議所・商工会などの窓口で申し込めます。オンラインの手続きもあり、加入資格を先に確かめます。
  1. 中小機構の「加入資格」で、業種・規模・事業を続けた年数(1年以上)を確かめる
  2. 掛金月額(5,000円〜20万円、5,000円単位)を決める
  3. 取扱機関(金融機関・商工会議所・商工会など)か、オンラインで申し込む
  4. 加入後は、6か月以上掛金を納めると共済金の貸付の条件を満たす

あわせて読みたい:売掛保証とファクタリングの違い

経営セーフティ共済のよくある質問

結論借入れの条件、借りられる額、節税、解約、個人事業主の加入について、よく聞かれる8つにお答えします。
経営セーフティ共済と倒産防止共済は違いますか?

同じ制度です。正式な名前は「中小企業倒産防止共済制度」で、「経営セーフティ共済」はその愛称です。中小機構が運営しています。

いくらまで借りられますか?

回収困難となった売掛金債権等の額か、納めた掛金総額の10倍(最高8,000万円)の、少ない方の範囲で借りられます。無担保・無保証人です。

加入してすぐに借りられますか?

借りられません。加入後6か月以上たち、6か月分以上の掛金を納めていることが条件です。倒産日から6か月以内に請求する必要があります。

借りると掛金はどうなりますか?

共済金の貸付額の10分の1に相当する掛金の権利がなくなります。返済は貸付額に応じて5〜7年(据置6か月を含む)の毎月均等返済です。

経営セーフティ共済は節税になりますか?

掛金は法人は損金、個人事業主は事業所得の必要経費にできます。ただし解約手当金は受け取った年の益金・事業所得になるため、税金を先に送る仕組みと考えると分かりやすいです。

解約するといくら戻りますか?

12か月未満は掛け捨て、12か月以上で掛金総額の8割以上、40か月以上で全額が戻ります。2024年10月1日以後に解約して再加入した場合、解約から2年間の掛金は経費にできません。

個人事業主でも入れますか?

入れます。引き続き1年以上事業を続け、事業所得などで確定申告をしている方が対象です。一般の消費者が相手の事業など、売掛金が生じない業種は貸付の対象にならない場合があります。

実際に共済金を借りる人は多いですか?

中小機構のグラフから当サイトが読み取ったところ、在籍約67万件に対し、共済金の貸付は2025年度で約190件・約29億円でした。多くの加入者は備えとして使っています。

まとめ|倒産への備えは早めに、税金は先送りと考える

結論経営セーフティ共済は倒産への強い備えですが、加入6か月は借りられません。早めに入り、税金は先送りと考えましょう。
  • 取引先が倒産したら、掛金の10倍(最高8,000万円)まで無担保・無保証人で借入れ
  • 加入後6か月以上・倒産から6か月以内に請求。夜逃げは対象外
  • 掛金は経費になるが、解約手当金は課税。12か月未満は掛け捨て
  • 今すぐの資金不足には、期日前の請求書の売却や公的融資も

関連:取引先が倒産したら売掛金はどうなる?/セーフティネット保証とは/日本政策金融公庫の融資/償還請求権とは

確認した情報:中小機構「経営セーフティ共済 制度の概要」「現況」(2026年3月末現在)、「共済サポートnavi」、「加入資格」(いずれも2026年10月16日確認)。表の年度別の数字はグラフからの読み取りで目安です。税金の扱いや加入・貸付の結果、順位・成果を約束するものではありません。

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