ファクタリング(請求書買取)

売掛金が払われない時の回収方法|内容証明→支払督促→少額訴訟の順番と費用、裁判所の統計で見た「異議が出たのは23%」【2026年10月】

売掛金が払われない時は、①電話・メール→②内容証明→③支払督促→④少額訴訟・通常訴訟の順に進めます。50万円なら、支払督促の手数料はネット申立てで5,000円です。裁判所の統計では、支払督促に異議が出たのは23%でした。2026年5月からの新しい手続きと費用で整理しました。

PR:本記事には広告リンクが含まれます。法律の手続きの一般的な説明です。個別の判断は、弁護士・認定司法書士に相談してください。

30秒で分かる結論

  • 回収は電話・メール→内容証明→支払督促→少額訴訟・通常訴訟→強制執行の順に、少しずつ強い手段へ
  • 内容証明は配達証明つき1枚1,420円。支払督促は50万円なら5,000円(ネット申立て)
  • 2026年5月21日から、支払督促・少額訴訟をネット(mints)で申し立てられるようになった
  • 裁判所の統計(2024年):支払督促に異議が出たのは23.4%。少額訴訟の判決の89.2%は請求が認められた
  • 期日を過ぎた請求書はファクタリングでも買い取れない。回収中の資金不足は、期日前の別の請求書や融資で補う

PR|回収を待つ間の支払いが苦しい時は

支払期日を過ぎた請求書は買い取れません。まだ期日前の、別の取引先の請求書が対象です。手数料がかかり、審査があります。

「支払期日を過ぎても入金がない。どう催促すればいい?」で止まっていませんか?

結論売掛金の未払いは、早く・順番どおりに動くほど回収しやすくなります。まず全体の流れを知りましょう。

支払日に通帳を見ても入金がない。取引先に連絡しても「確認します」のまま。その間にも、自分の支払いは待ってくれません。売掛金の未払いは、放っておくほど回収が難しくなります。

取引先との関係を壊したくないから、強く言えないのは当然です

結論多くの未払いは、電話やメールの確認で解決します。いきなり裁判ではなく、段階を踏めば大丈夫です。

未払いの理由は、経理の処理漏れ・請求書の行き違い・一時的な資金不足などさまざまです。最初から「払う気がない」相手ばかりではありません。まずは事実の確認から始め、反応がない時だけ次の段階に進みます。

売掛金を回収する5つのステップ|電話→内容証明→支払督促→訴訟→強制執行

結論話し合い、内容証明、支払督促、少額訴訟・通常訴訟、強制執行の順に、少しずつ強い手段に進みます。
段階やること費用の目安向いている時
①電話・メール入金の確認と、支払日の約束0円期日を過ぎてすぐ
②内容証明請求したことを郵便局に証明してもらう1,420円(1枚)約束が守られない時
③支払督促裁判所から相手に支払いを命じてもらう(書類だけ)50万円で5,000円(ネット)相手が争っていない時
④少額訴訟・通常訴訟裁判で判決をもらう50万円で6,400円(ネット)相手が争っている時
⑤強制執行相手の預金などを差し押さえる別に手数料がかかる判決や仮執行宣言が出ても払わない時

判決などで相手の売掛金を差し押さえる手続き(債権差押命令・取立て)と、差し押さえられた側に起きることは、売掛金の差し押さえ|流れ・取引先への影響・解除の方法にまとめています。

最初に確かめること|請求書・契約書・やり取りの記録と、時効は5年

結論請求書・契約書・メールなどの証拠をそろえます。売掛金の時効は原則5年なので、放っておかないことが大切です。

契約の時期による時効の違い(2020年3月以前の契約は古いルール)や、支払期日別の時効の早見表、時効を止める4つの方法は売掛金の時効は何年?でくわしく説明しています。

  • 請求書と支払期日:いくらを、いつまでに払う約束だったか
  • 契約書・発注書・見積書:仕事の内容と金額の根拠
  • 納品・作業の記録:納品書、受領のメール、作業報告など
  • やり取りの記録:メール・チャット・電話のメモ(日時と相手の名前)
  • 時効:2020年4月以降の取引の代金は、原則として権利を使えると知った時から5年で時効になります。支払督促や訴訟を起こすと、時効の進みを止められます

電話・メールで催促する時の文例

結論「入金の確認ができていません」と事実だけを伝え、支払日をはっきり約束してもらうのがコツです。

メールの文例

件名:〇月〇日お支払い期日のご請求について(株式会社〇〇)
いつもお世話になっております。〇月〇日付の請求書(請求番号〇〇、金額〇〇円、お支払い期日〇月〇日)について、本日時点でご入金の確認ができておりません。行き違いでしたら失礼いたします。お手数ですが、お支払いの予定日を〇月〇日までにご連絡いただけますでしょうか。

  • 責める言葉は使わず、請求番号・金額・期日を正確に書きます
  • 電話で約束した時も、メールで日付と金額を送り直して記録を残します
  • 分割の相談があれば、回数と金額を書面(メール)で決めます

内容証明の送り方と費用|1枚1,420円・文例つき

結論内容証明は「いつ・何を請求したか」を郵便局が証明する郵便です。配達証明つきで1枚1,420円です。
内容証明(配達証明つき)の料金(日本郵便の公式)
内訳料金
定形郵便(50gまで)110円
一般書留480円
内容証明(1枚目)480円(2枚目から1枚290円増)
配達証明350円
合計(1枚)1,420円

書く内容(売掛金の請求の例)

  • 取引の内容(〇年〇月〇日納品の〇〇)
  • 請求額と、もともとの支払期日
  • 新しい支払期限(例:本書到着後〇日以内)と振込先
  • 期限までに支払いがない時は、法的な手続きを取ること

郵便局が証明するのは「その文書を送ったこと」で、内容が正しいかどうかではありません。インターネットで24時間出せる「e内容証明」もあります。

出典:日本郵便「内容証明」「書留」「配達証明」「手紙・はがきの料金」(2026年10月16日確認)。

支払督促とは|流れ・手数料・2026年5月からのネット申立て

結論裁判所に行かず書類だけで進む手続きです。相手が2週間以内に異議を出さなければ、強制執行まで進めます。
  1. 申立て:相手の住所地の簡易裁判所の書記官に申し立てる(法人は登記事項証明書が必要)
  2. 支払督促が相手に届く:相手は受け取ってから2週間以内なら異議を出せる
  3. 異議がなければ仮執行宣言の申立て:2週間たった翌日から30日以内
  4. 仮執行宣言つき支払督促が届く:これで強制執行を申し立てられる
  5. 相手が異議を出した時は、通常の裁判に移ります
  • 2026年5月21日から:書面と「督促手続オンラインシステム」に加えて、mints(ミンツ)でネット申立てができるようになりました。弁護士などの代理人はネット申立てが義務です
  • 費用:これまで別に納めていた郵便代は手数料に一本化され、ペイジーで払うのが原則です

出典:裁判所「支払督促」(2026年10月16日確認)。

少額訴訟とは|60万円以下・原則1回の審理で判決

結論60万円以下の請求なら、原則1回の審理で判決が出ます。同じ裁判所に年10回までの制限があります。
  • 60万円以下のお金の支払いを求める裁判で、原則1回の審理で終わらせる手続き
  • 最初の期日までに、言い分と証拠をすべて出す。証拠はその場で調べられるものに限られる
  • 1人が同じ簡易裁判所で使えるのは年10回まで
  • 相手が希望すると、通常の裁判に移ることがある
  • 請求が認められても、分割払い・支払猶予の判決になることがある(判決から3年以内の範囲)
  • 申立先は原則、相手の住所地の簡易裁判所。お金の請求なら、支払いをする場所の簡易裁判所でもよい

出典:裁判所「少額訴訟」(2026年10月16日確認)。

【独自集計】支払督促・少額訴訟の件数と結果|裁判所の統計2015〜2024年

結論2024年の支払督促は25.7万件。異議が出たのは23%で、少額訴訟の判決の89%は請求が認められていました。

裁判所の「司法統計年報(民事・行政編)」2024年分(2026年9月17日更新版)から、当サイトが集計しました。

簡易裁判所の新しい事件の件数(司法統計年報を当サイト集計)
年支払督促少額訴訟通常訴訟(簡裁)
2015年236,492件11,542件321,666件
2018年329,119件9,310件341,349件
2020年235,360件7,944件309,365件
2021年230,914件7,094件322,673件
2022年232,427件6,594件326,444件
2023年243,630件7,339件376,558件
2024年257,159件7,186件421,616件
支払督促の結果(2024年)
項目人数割合
支払督促が出された相手254,172人100%
異議を出した相手59,467人23.4%
仮執行宣言がついた相手(強制執行できる状態)99,863人39.3%
仮執行宣言のあとに異議を出した相手6,720人2.6%
少額訴訟の結果(2024年に終わった5,707件)
項目件数割合
判決2,706件47.4%
うち請求が認められた判決2,415件判決の89.2%
うち相手が欠席して請求が認められた判決1,779件全体の31.2%
和解1,020件17.9%
取下げ1,521件26.7%
弁護士・司法書士をつけず、本人どうしで進めた事件4,976件87.2%

分かったこと

  • 支払督促は前年より+5.6%。簡易裁判所の通常訴訟は3年で+30.7%(2021年→2024年)と増えている
  • 支払督促に異議が出たのは4人に1人以下(23.4%)。争いのない未払いなら、書類だけで強制執行できる状態まで進めることが多い
  • 少額訴訟は2015年から約4割減ったが、判決の約9割は請求が認められ、87%は本人どうしで進めている
  • 「売買代金」の少額訴訟541件に絞ると、判決314件のうち請求が認められたのは307件(97.8%)
  • 異議が出なかった相手には、督促を受けて支払った人も含まれると考えられますが、統計から内訳は分かりません。取下げも同じです

出典:裁判所「司法統計年報(民事・行政編)」令和6年(第1-2表、第9表、第14表、第93表)。第93表は、裁判所の注記により初版の数値です。

【費用早見表】50万円・100万円を回収する手数料

結論50万円なら内容証明1,420円、支払督促5,000円、少額訴訟6,400円(ネット申立て)が目安です。
裁判所に納める申立手数料(2026年5月21日以後・郵便代を含む)
請求額支払督促(ネット)支払督促(書面)訴訟(ネット)訴訟(書面)
30万円4,000円4,200円4,400円5,500円
50万円5,000円5,200円6,400円7,500円
60万円5,500円5,700円7,400円8,500円
100万円7,500円7,700円11,400円12,500円
  • 少額訴訟は60万円以下の時だけ使えます。100万円は通常の訴訟の手数料です
  • 支払督促に異議が出て裁判に移った時は、訴訟の手数料との差額を追加で納めます
  • 法人が申し立てる時は、登記事項証明書の取得費用もかかります。弁護士などに頼む場合は、その報酬が別にかかります

出典:裁判所「手数料額早見表」(2026年10月16日確認)。

弁護士・司法書士・回収代行|誰に頼める?違法な代行に注意

結論代理を頼めるのは弁護士と、140万円以下なら認定司法書士です。資格のない回収代行は違法になりえます。

フリーランス(従業員を雇わない個人・一人社長)の報酬の未払いなら、無料で弁護士に相談できる「フリーランス・トラブル110番」や、公正取引委員会への申出も使えます。くわしくはフリーランスの報酬未払い|相談先と請求の順番で説明しています。

取引先が倒産した時は、通常の回収とは手順が違います。債権届出・相殺・貸倒損失の仕訳は取引先が倒産した時の売掛金で整理しています。

取引先が大きな会社で、支払いが受け取りから60日を超えている・手形で払われた・振込手数料を引かれた時は、取適法の違反にあたることがあります。公正取引委員会・中小企業庁にも相談できます。

  • 弁護士:金額に関係なく、交渉・裁判・強制執行まで頼めます
  • 認定司法書士:140万円以下の簡易裁判所の事件なら、代理を頼めます
  • 資格のない回収代行:弁護士でない人が報酬をもらって他人の売掛金を取り立てることは、弁護士法72条で原則禁止です。「回収を代行します」という業者に頼む前に、資格を確かめましょう
  • 自分で進める場合は、簡易裁判所の窓口で手続きの案内を受けられます

回収している間の資金繰り|期日前の別の請求書を早めにお金にする

結論期日を過ぎた請求書はファクタリングでも買い取れません。期日前の別の請求書で、回収中の資金不足を補います。

回収には数週間から数か月かかります。その間の支払いに困る時の方法です。

  • 払われていない請求書は、ファクタリングでは売れません。ラボルの公式FAQは「支払期限が過ぎた請求書を買い取ることはできません」とし、取引先が支払いを拒否・保留している請求書も対象外です。ペイトナーの公式コラムも、支払期日を過ぎた請求書は対象外としています
  • 使えるのは、まだ期日前の、別の取引先の請求書です
  • 時間があるなら、融資のほうが費用は安く済みます(ファクタリングと融資の違い)
  • どれだけ足りないかは、資金繰り表で先に確かめましょう

これから請求書を売る時は、取引先が払えなくなっても自分が返さなくてよい「償還請求権なし」の契約か、契約書で確かめてください。

PR|期日前の別の請求書を、早めにお金にする

支払期日を過ぎた請求書は買い取れません。まだ期日前の、別の取引先の請求書が対象です。手数料がかかり、審査があります。

今日やること|証拠をそろえて、支払日を確認する

結論請求書・契約・メールを1つのフォルダにまとめ、取引先に支払日を確認する連絡を入れましょう。
  1. 請求書・契約書・納品の記録・メールを、1つのフォルダにまとめる
  2. 取引先に、請求番号・金額・期日を書いて支払予定日を確認する
  3. 約束の日に入金がなければ、内容証明で期限を決めて請求する
  4. それでも払われなければ、支払督促(相手が争っていない時)か少額訴訟(60万円以下)を検討する
  5. 回収を待つ間の資金不足は、資金繰り表で額を出し、期日前の請求書や融資で補う

売掛金の回収のよくある質問

結論費用、手続きの選び方、時効、刑事告訴、ファクタリングとの関係について、よく聞かれる8つにお答えします。
売掛金が払われない時、最初に何をすればいいですか?

請求書・契約書・やり取りの記録をそろえ、電話やメールで入金の確認と支払予定日の約束をもらいます。約束が守られない時は、内容証明で期限を決めて請求します。

内容証明の費用はいくらですか?

日本郵便の料金で、定形郵便110円・一般書留480円・内容証明480円・配達証明350円の合計1,420円です(1枚の場合)。2枚目からは1枚290円増えます。

支払督促の手数料はいくらですか?

2026年5月21日以後は郵便代を含めた額になり、50万円ならネット申立てで5,000円、書面で5,200円です。100万円ならネットで7,500円です。

支払督促と少額訴訟はどちらを使えばいいですか?

相手が支払い自体を争っていないなら、書類だけで進む支払督促が向いています。相手が争っていて60万円以下なら、原則1回の審理で判決が出る少額訴訟が向いています。

支払督促に異議を出されることは多いですか?

裁判所の統計では、2024年に支払督促が出された254,172人のうち、異議を出したのは59,467人(23.4%)でした。異議が出ると通常の裁判に移ります。

売掛金の時効は何年ですか?

2020年4月以降の取引の代金は、原則として権利を使えると知った時から5年で時効になります。支払督促や訴訟を起こすと、時効の進みを止められます。

売掛金の未払いで刑事告訴はできますか?

代金を払わないこと自体は、原則として民事の問題です。最初からだますつもりで取引した場合などに限って詐欺になりえますが、まずは民事の手続きで回収を進めるのが一般的です。

払われていない請求書をファクタリングで売れますか?

売れません。ラボルの公式FAQとペイトナーの公式コラムは、支払期日を過ぎた請求書を対象外としています。使えるのは、まだ期日前の別の請求書です。

まとめ|段階を踏んで回収し、その間の資金は別の方法で補う

結論売掛金は段階を踏んで回収し、その間の資金不足は期日前の請求書や融資で補いましょう。
  • 回収は電話・メール→内容証明→支払督促→少額訴訟・通常訴訟→強制執行の順
  • 50万円なら、内容証明1,420円、支払督促5,000円、少額訴訟6,400円(ネット申立て)
  • 支払督促に異議が出たのは23.4%、少額訴訟の判決の89.2%は請求が認められた(2024年)
  • 期日を過ぎた請求書はファクタリングで売れない。回収中の資金は期日前の請求書や融資で

関連:償還請求権とは/黒字倒産を防ぐには/必要運転資金の計算方法/フリーランスの資金繰り

確認した情報:裁判所「司法統計年報(民事・行政編)」令和6年(2026年9月17日更新版)、裁判所「支払督促」「少額訴訟」「手数料額早見表」、日本郵便の料金、ラボル公式FAQ・ペイトナー公式コラム(いずれも2026年10月16日確認)。法律の一般的な説明で、個別の事件の結果や回収、審査結果、順位や成果を約束するものではありません。

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