消費税が払えない時は、放っておかずに税務署へ相談し、「換価の猶予」を申請すると、原則1年以内の分割で払えます。申請は納期限から6か月以内です。猶予が認められると延滞税は年1.3%(2026年)に下がりますが、何もしないと2か月までは年2.8%、その後は年9.1%かかり、督促の後は差押えに進みます。国税庁の統計では、新しく発生する滞納の52%が消費税です。払い方ごとの費用を同じ金額で比べました。
PR:本記事には広告リンクが含まれます。税金の支払いが難しい時は、まず税務署に相談してください。法律はe-Gov法令検索の現行の条文、延滞税・カード納付・中間申告・統計は国税庁の公式ページで確かめています(2026年10月17日確認)。個別の事情は税務署・税理士にご相談ください。
30秒で分かる結論
- 払えない時は黙って遅れず、税務署に相談。一番高くつくのは何もしないこと
- 換価の猶予:納期限から6か月以内に申請、原則1年以内の分割、延滞税は年1.3%(2026年)
- 何もしないと延滞税は年2.8%→2か月後から年9.1%、督促の後は差押えも
- カード納付は1万円ごとに99円。ただし払った税金はあとで猶予を受けられない
- 新しく発生する国税の滞納の52%が消費税(国税庁、令和7年度)
まず相談したい人は、相談先と換価の猶予の申請へ進んでください。
「消費税の納付書が届いたのに、口座にお金がない」
消費税の確定申告をしたら思ったより納める額が多かった、中間納付の通知が来たけれど今月は苦しい。こんな時に一番してはいけないのは、何も連絡せずに放っておくことです。国の制度には、一度に払えない人のための分割の仕組みがあります。
預かった税金のはずなのに、手元に残っていない
消費税は「お客さんから預かったお金」と言われますが、実際には売上と一緒に口座に入り、仕入れや給料の支払いに使われていきます。申告の時にまとめて払おうとして足りなくなるのは、珍しいことではありません。
【独自集計】消費税の滞納は全体の52%|国税庁の統計
国税庁「令和7年度租税滞納状況の概要」(2026年8月公表)の税目別の表から、当サイトが割合を計算しました。
| 税目(国税) | 徴収決定済額 | 新規発生滞納額 | 新規発生滞納に占める割合 | 滞納になった割合 |
|---|---|---|---|---|
| 消費税 | 26兆5,657億円 | 5,172億円 | 52.1% | 1.95% |
| 申告所得税 | 5兆1,322億円 | 2,146億円 | 21.6% | 4.18% |
| 法人税 | 23兆3,180億円 | 1,456億円 | 14.7% | 0.62% |
| 源泉所得税 | 23兆2,541億円 | 397億円 | 4.0% | 0.17% |
| 全税目の合計 | 89兆7,949億円 | 9,935億円 | 100% | 1.11% |
- 「滞納になった割合」は新規発生滞納額÷徴収決定済額。国税庁は「滞納」を、納期限までに納付されず督促状が発付されたもの、としています
- 消費税の額には、外書きの地方消費税(新規発生滞納1,458億円)は含みません
- 消費税の新規発生滞納は令和6年度5,298億円、令和7年度5,172億円。滞納残高は令和7年度末で3,893億円
払えない時にまずやること|4つの順番
- 納付額と納期限を確かめる:確定申告書・中間申告の通知で、いくらをいつまでに払うか
- 税務署(徴収担当)に連絡する:払える額と払えない額を伝える
- 換価の猶予を申請する:納期限から6か月以内。毎月いくらなら払えるかを決めておく
- 資金繰り表を作る:猶予の分割と、ほかの支払いを並べて、足りない月を見つける(資金繰り表の作り方)
換価の猶予とは|分割で払える、申請は納期限から6か月以内
国税徴収法151条の2は、一度に納付すると事業の継続や生活の維持が困難になるおそれがあり、納税について誠実な意思がある時、納期限から6か月以内の申請で、1年以内の期間、財産の換価(売却)を猶予できると決めています。猶予した金額は、期間内の各月に分けて納めます(152条)。事業や生活に必要な財産の差押えを猶予・解除してもらえることもあります。
- 申請には、払えない事情・払えない金額・猶予を受けたい期間・毎月の分割の額などを書きます(151条の2第3項)
- ほかに滞納している国税があると使えません(猶予の申請中・適用中のものを除く)
- 審査があり、必ず認められるわけではありません
納税の猶予との違い|災害・病気・大きな損失なら納税の猶予
| 制度 | 使える時 | 法律 |
|---|---|---|
| 納税の猶予 | 災害で財産に損失を受けた、本人や家族の病気、事業の休廃止、事業の著しい損失などで一度に払えない | 国税通則法46条 |
| 換価の猶予(申請) | 上のような事情はないが、一度に払うと事業や生活が続けられない | 国税徴収法151条の2 |
延滞税の割合(2026年)|2か月までは年2.8%、その後9.1%
| 期間 | 2026年 | 2022〜2025年 |
|---|---|---|
| 納期限の翌日から2か月まで | 年2.8% | 年2.4% |
| 2か月を過ぎた日から | 年9.1% | 年8.7% |
| 猶予を受けた期間 | 年1.3%(当サイト計算) | ― |
延滞税の割合は国税庁のタックスアンサー(No.9205)のとおりです。猶予を受けた期間の延滞税は、国税通則法63条と租税特別措置法94条2項で「猶予特例基準割合(平均貸付割合+年0.5%)」を超える部分が免除されます。2026年は延滞税の割合から逆算すると平均貸付割合が年0.8%なので、当サイトの計算で年1.3%になります。
【独自試算】100万円を3か月遅れて払う時の費用を比べる
| 払い方(100万円・92日遅れ) | 費用の目安 | 計算 |
|---|---|---|
| 換価の猶予が認められた場合 | 約3,200円 | 100万円×年1.3%×92日÷365日 |
| 何もせずに遅れて払う | 約12,400円 | 100万円×(年2.8%×61日+年9.1%×31日)÷365日 |
| 国税のクレジットカード納付 | 9,900円(+カードの分割・リボの手数料) | 100万円÷1万円×99円 |
| 2社間ファクタリング(手数料10%の例) | 10万円 | 売掛金100万円×10%(手取りは90万円) |
| ローン(年18%の例) | 約45,400円 | 100万円×年18%×92日÷365日 |
当サイトの試算です。実際の延滞税は本税の1万円未満と延滞税の100円未満を切り捨てます。猶予が一番安いので、まず申請を考えましょう。ファクタリングや借入れは、猶予を受けても足りない分に限って考えます。
クレジットカード納付|1万円ごとに99円、猶予とは併用できない
- 「国税クレジットカードお支払サイト」でネットから納付。1回1,000万円未満
- 使えるカード:Visa・Mastercard・JCB・American Express・Diners Club
- 手数料:1万円までが99円、以降1万円ごとに99円を加算(税込。古い記事の「83円」は改定前)
- 手続きの完了後は取り消せず、その国税について納税の猶予等を受けられない(国税庁)
- 銀行口座から払うダイレクト納付は手数料がかかりません
払わないとどうなる?|督促状から差押えまで
納期限までに払わないと、延滞税がかかり始め、督促状が届きます。国税庁は、電話やはがきでの納付の呼びかけのほか、納税への誠実な意思が見られない場合は財産の差押えなどの滞納処分を行うと公表しています。売掛金が差し押さえられると、取引先に知られることにもなります(くわしくは税金滞納と差押え)。
中間納付が払えない時|仮決算で減らせることも
| 前年の消費税額(国税) | 中間申告の回数 |
|---|---|
| 48万円以下 | 原則不要 |
| 48万円超〜400万円以下 | 年1回 |
| 400万円超〜4,800万円以下 | 年3回 |
| 4,800万円超 | 年11回 |
期限は各対象期間の末日の翌日から2か月以内です(国税庁 No.6609)。前年の実績で計算した額の代わりに、仮決算をして実際の額で申告することもできます。なお国税庁は、令和9年4月1日から令和11年3月31日まで飲食料品の譲渡の消費税率が引き下げられ、中間申告の計算に特例が設けられると案内しています(くわしくは国税庁の特設サイトへ)。
個人事業主の場合|2割特例が終わる2027年3月に注意
個人の確定申告の納期限は3月31日です。2026年分(2027年3月に申告)までは2割特例を使えますが、その次からは3割特例になり、納める額が増える人がいます。売上別の試算はインボイスの2割特例と3割特例にまとめています。
法人の場合|赤字でも消費税はかかる
法人税は利益にかかりますが、消費税は売上で受け取った税額から仕入れなどで払った税額を引いて計算します。人件費は仕入れに含まれないので、人件費の多い会社は赤字でも消費税が出やすくなります。黒字でも資金が足りなくなる仕組みは黒字倒産を防ぐにはへ。
次から払えなくならないために|毎月の積立て
- 売上が入るたびに、消費税分(目安は売上の数%〜10%)を別の口座へ移す
- 国税庁は、納期限の前に少しずつ納めておく「予納ダイレクト」での納税資金の準備を呼びかけています
- 運転資金がいくら必要かは必要運転資金の計算方法で確かめられます
猶予が間に合わない・ほかの支払いも足りない時の資金づくり
猶予の分割や、税金以外の支払い(外注費・家賃・給料)が重なって足りない時は、資金をつくる方法も考えます。公的な融資なら日本政策金融公庫やセーフティネット保証があります。すぐに現金が必要で、入金前の売掛金がある時は、取引先に知られない2社間ファクタリングで現金にする方法もあります。手数料がかかるので、申し込む前に手取りを確かめましょう。
次の入金日までお金が足りない時の「2つの調達ルート」
ガソリン代・修理代・税金の支払いが次の入金日まで持たない時は、取引先に出した「請求書」が手元にあるかどうかで、損をしない方法が変わります。
| 今の状況 | 選ぶ方法 | おすすめ | 費用の目安 | 手続きの特徴(公式) |
|---|---|---|---|---|
| 請求書がない 配達員(Uber Eats・出前館・ロケットナウ・Amazon Flexなど)、請求書をまだ出していない個人事業主 | 無利息期間のある借入れ | セントラル | 実質年率4.80〜18.00%。はじめての契約は翌日から最大30日間、金利0円 | 当社の限度額50万円以下・他社を含めた借入れ100万円以下なら収入証明は不要。平日14時までの申込で当日振込、セブン銀行ATMでも借りられる |
| 請求書がある 取引先に出して入金を待っている請求書がある個人事業主・会社 | 借入れにならない請求書の買取(ファクタリング) | QuQuMo(金額が大きい時) ペイトナー(1万円からの少額) | ペイトナーは一律10%+振込手数料330円。QuQuMoは公式「1%〜」、2026年の口コミは10%が中心 | 借入れではないので、ペイトナー公式は「信用情報にも影響なし」と案内。どちらも来店不要 |
10万円を30日使った時の費用(当サイトの計算):セントラルは、はじめての契約で30日以内に返せば0円(無利息が終わった後は年18%で30日1,479円)。ペイトナーは手数料10%と振込手数料で10,330円。30日以内に返せるなら借入れ、借金を増やしたくないなら請求書の買取が向いています。
確認した情報(2026年10月23日確認):セントラル公式(貸付条件・最大30日金利0円サービス・はじめてのお客さまへ)、ペイトナー公式(トップ・料金)、QuQuMo公式。費用の計算と口コミの件数は当サイトによるものです。審査の結果は約束されません。
PR|猶予を受けても足りない時の、入金前の売掛金の現金化
税金の支払いが難しい時は、まず税務署に相談してください。ファクタリングは審査があり、手数料がかかります。2社間は原則として取引先に通知しません(各社の公式)。
ペイトナーを使う前に:ペイトナーの利用規約(7条)は、「税金及び社会保険料等の滞納や過誤等もないこと」を利用の条件にしています。使えるのは、納期限の前で、まだ滞納になっていない時です。すでに滞納している・督促を受けている時は申し込めません。
PR|請求書がない時は、返せる額だけ借入れ
セントラルに申し込む(請求書がない時の借入れ)審査があります。実質年率4.80〜18.00%(100万円以上は15.00%まで)、遅延損害金は年20.00%。はじめての契約は契約日の翌日から最大30日間金利0円。返せる額だけ、計画的に借りましょう。
相談先|税務署・税理士・よろず支援拠点
- 所轄の税務署:納付や猶予の相談。納付書や申告書を手元に用意して電話する
- 税理士:申告の内容や、仮決算での中間申告の相談
- 商工会議所・商工会:記帳や経営の相談
- よろず支援拠点:資金繰りを含む経営の相談(無料)。47都道府県の窓口一覧
今日やること|納付額を確かめて、税務署に電話する
- □ 納付額と納期限を確かめた
- □ 今払える額と、毎月払える額を決めた
- □ 税務署に電話した(納期限から6か月以内に換価の猶予を申請)
- □ カードで払う前に、猶予を使うかを決めた
- □ 資金繰り表で、ほかの支払いも含めて足りない月を確かめた
あわせて読みたい:納税の猶予と換価の猶予の違い(申請書の書き方・国税庁の件数)
あわせて読みたい:社会保険料が払えない時(延滞金・換価の猶予)
よくある質問
消費税は分割で払えますか?
払えます。一度に払うと事業や生活が続けられない時は、納期限から6か月以内に「換価の猶予」を申請すると、原則1年以内の分割で払えます(国税徴収法151条の2・152条)。審査があります。
消費税の延滞税はいくらですか?
2026年は、納期限の翌日から2か月までが年2.8%、それを過ぎると年9.1%です(国税庁 No.9205)。猶予が認められた期間は、当サイトの計算で年1.3%になります。
換価の猶予の申請はいつまでですか?
納期限から6か月以内です。ほかに滞納している国税があると使えないので、早めに税務署に相談しましょう。
消費税をクレジットカードで払えますか?
払えます。国税クレジットカードお支払サイトから、手数料1万円ごとに99円(税込)で納付できます。ただし、カードで納付した国税は、あとで納税の猶予等を受けられません。
消費税を滞納するとどうなりますか?
延滞税がかかり、督促状が届きます。その後も払わないと、預金や売掛金などの財産が差し押さえられることがあります。黙っていないで、税務署に相談してください。
中間納付が払えない時はどうすればいいですか?
今年の売上が落ちているなら、仮決算をして実際の額で中間申告できます。それでも払えない時は、税務署に相談して猶予を申請します。
赤字なのに消費税を払わないといけないのですか?
はい。消費税は利益ではなく、売上で受け取った税額と仕入れで払った税額の差で決まるため、赤字でも納める額が出ることがあります。
消費税が払えない時はどこに相談すればいいですか?
まず所轄の税務署の徴収担当に相談します。申告の内容は税理士、経営の相談は商工会議所やよろず支援拠点でもできます。
まとめ|黙らずに税務署へ、換価の猶予なら分割で
- 新しく発生する国税の滞納の52%が消費税。払えなくなるのは珍しくない
- 換価の猶予は納期限から6か月以内に申請、原則1年以内の分割
- 2026年の延滞税は年2.8%→年9.1%、猶予中は年1.3%(計算)
- カード納付は1万円ごとに99円。払った後は猶予を受けられない
- 中間納付は仮決算で実際の額にできる
関連:インボイスの2割特例と3割特例/税金滞納でも使えるファクタリング/資金繰り表の作り方/日本政策金融公庫
確認した情報:国税庁「令和7年度租税滞納状況の概要」(2026年8月)、タックスアンサーNo.9205(延滞税)・No.6609(中間申告)、「クレジットカード納付の手続」「ダイレクト納付の手続」、e-Gov法令検索「国税徴収法」151条・151条の2・152条、「国税通則法」46条・63条、「租税特別措置法」94条(いずれも2026年10月17日確認)。費用の比較と猶予中の割合は当サイトの計算です。順位や成果を約束するものではありません。
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