信用保証協会は、中小企業や個人事業主が金融機関から借りる時に、保証人になってくれる公的機関です。全国に51協会あり、中小企業の約43%が利用しています。使うと信用保証料(年0.45〜1.90%など)がかかります。保証料の計算方法と、代わりに返済した「代位弁済」が4年で2.3倍に増えた最新の実績を整理しました。
PR:本記事には広告リンクが含まれます。制度の一般的な説明です。保証料率や審査は信用保証協会・保証制度ごとに違うので、お近くの協会・金融機関に確かめてください。
30秒で分かる結論
- 信用保証協会は、借りる時の保証人になる公的機関。全国に51協会(各都道府県と4市)
- 保証料率は、決算内容などで9区分。責任共有制度の対象なら年0.45〜1.90%
- 保証料=借りる額×保証料率×保証期間(月数)÷12×分割係数。500万円・5年の均等返済なら約6〜26万円
- 一般保証の限度額は2億8,000万円(普通2億円+無担保8,000万円)。個人事業主は連帯保証人が原則不要
- 2025年度の保証承諾は58万件・8兆8,552億円。代位弁済は4万8,176件で、2021年度の2.3倍
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「銀行に保証協会付きと言われた。保証協会って何?保証料はいくら?」で止まっていませんか?
銀行に融資を相談すると、「今回は信用保証協会の保証付きで」と言われることがあります。保証人を頼めない中小企業や個人事業主のために、公的機関が保証人になる仕組みです。ただし、保証料という費用がかかり、もし返せなくなった時は保証協会に返していくことになります。
保証料・責任共有・代位弁済と、聞き慣れない言葉が多いので迷うのは当然です
信用保証の仕組みは、金融機関・信用保証協会・事業者の3者の関係で成り立っています。まずは全体の流れから見ていきましょう。
信用保証協会とは?わかりやすく
- 信用保証協会法にもとづく公的機関で、各都道府県と横浜・川崎・名古屋・岐阜の各市に51協会があります
- 中小企業・小規模事業者が金融機関から事業資金(運転資金・設備資金)を借りる時に、保証人になります
- 保証協会のリスクの一部は、日本政策金融公庫の信用保険が分担しています(信用補完制度)
- 保証の申込みは、金融機関を通す方法と、保証協会に直接申し込む方法があります
- 事業者が金融機関に融資を申し込み、信用保証の申込みをする
- 保証協会が審査し、信用保証書を出す
- 金融機関が融資し、事業者が信用保証料を払う
- 事業者が金融機関に返済する
- 返せなくなった時は、保証協会が代わりに返す(代位弁済)。その後は、事業者が保証協会に返していく
出典:全国信用保証協会連合会「日本の信用保証制度」(2026年9月公開)(2026年10月16日確認)。
使える人と資金|中小企業・個人事業主、事業資金に限る
- 規模:資本金または常時使用する従業員数のどちらかが基準内であること(個人事業主は従業員数)
- 業種:大半の商工業が対象。農業・林業(一部を除く)・漁業・金融保険業(一部を除く)は対象外。許認可が必要な事業は許認可を受けていること
- 区域:申し込む保証協会の管轄区域で事業をしていること。制度によっては業歴の条件もある
- 資金:事業に必要な運転資金・設備資金に限る
- 保証人:法人代表者以外の連帯保証人は原則不要。個人事業主は連帯保証人が原則不要
出典:全国信用保証協会連合会「ご利用条件」(2026年10月16日確認)。
保証限度額|一般保証で2億8,000万円、別枠も
| 保証の種類 | 限度額(1企業) |
|---|---|
| 普通保証 | 2億円(組合4億円) |
| 無担保保証 | 8,000万円 |
| 一般保証の合計 | 2億8,000万円(組合4億8,000万円) |
| 別枠(セーフティネット保証など) | 一般保証とは別に使える(セーフティネット保証とは) |
売掛金や在庫を担保にする「流動資産担保融資保証制度(ABL保証)」もあります(ABLとファクタリングの違い)。
信用保証料率|9区分、年0.45〜1.90%
| 区分 | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 責任共有の対象 | 1.90 | 1.75 | 1.55 | 1.35 | 1.15 | 1.00 | 0.80 | 0.60 | 0.45 |
| 責任共有の対象外 | 2.20 | 2.00 | 1.80 | 1.60 | 1.35 | 1.10 | 0.90 | 0.70 | 0.50 |
- 決算書をもとにした財務の評価に、財務以外の要素を加えて区分が決まります(①が最も高く、⑨が最も低い)
- 責任共有制度(2007年導入):金融機関も一定の割合でリスクを負う仕組み。対象かどうかで料率が分かれます
- 担保がある場合などは割引、経営者保証を付けない制度を選ぶと割増になることがあります。セーフティネット保証など一部の制度は特別料率です
出典:全国信用保証協会連合会「日本の信用保証制度」「信用保証料」(2026年10月16日確認)。手形割引・当座貸越などの特殊保証は別の料率です。
保証料の計算方法と計算例|500万円・5年なら約6〜26万円
| 分割返済の回数 | 均等分割係数 | 不均等分割係数 |
|---|---|---|
| 2〜6回 | 0.70 | 0.77 |
| 7〜12回 | 0.65 | 0.72 |
| 13〜24回 | 0.60 | 0.66 |
| 25回以上 | 0.55 | 0.61 |
| 保証料率 | 計算 | 保証料 |
|---|---|---|
| 年1.90%(区分①) | 500万円×1.90%×60÷12×0.55 | 261,250円 |
| 年1.15%(区分⑤) | 500万円×1.15%×60÷12×0.55 | 158,125円 |
| 年0.45%(区分⑨) | 500万円×0.45%×60÷12×0.55 | 61,875円 |
- 満期一括返済の場合は、分割係数をかけません(借りる額×保証料率×月数÷12)
- 据置期間がある場合は、据置の部分と分割返済の部分を分けて計算します
- 保証料は保証料率で大きく変わります。決算内容をよくすることが、保証料を下げる近道です
- 保証料のほかに、金融機関の金利がかかります。国の金融機関から借りる場合は日本政策金融公庫の融資も比べましょう
出典:東京信用保証協会「信用保証料の計算例」(2026年10月16日確認)。分割係数は協会によって違う場合があります。
【独自集計】保証の実績と代位弁済|2015〜2025年度
全国信用保証協会連合会「日本の信用保証制度」の資料から、保証承諾・保証債務残高・代位弁済の推移を当サイトが整理し、代位弁済の割合を計算しました。
| 年度 | 保証承諾 | 保証債務残高 | 代位弁済 | 代位弁済÷残高 |
|---|---|---|---|---|
| 2015年度 | 69.5万件・8兆9,671億円 | 25兆7,616億円 | 4万4,338件・4,453億円 | 1.73% |
| 2019年度 | 67.2万件・8兆9,390億円 | 20兆8,053億円 | 3万5,337件・3,386億円 | 1.63% |
| 2020年度 | 194.7万件・35兆1,234億円 | 41兆9,817億円 | 2万3,213件・2,430億円 | 0.58% |
| 2021年度 | 54.7万件・7兆7,220億円 | 41兆8,817億円 | 2万816件・2,426億円 | 0.58% |
| 2022年度 | 56.0万件・8兆2,123億円 | 40兆4,202億円 | 3万148件・3,510億円 | 0.87% |
| 2023年度 | 62.0万件・9兆9,983億円 | 36兆4,597億円 | 4万3,830件・4,946億円 | 1.36% |
| 2024年度 | 57.5万件・8兆6,204億円 | 34兆2,670億円 | 4万8,303件・5,498億円 | 1.60% |
| 2025年度 | 58.5万件・8兆8,552億円 | 32兆9,005億円 | 4万8,176件・5,491億円 | 1.67% |
分かったこと
- 2020年度はコロナ対応の融資で保証承諾が194.7万件・35兆円と急増した
- 代位弁済は、2021年度の2万816件から2025年度は4万8,176件(2.3倍)。返せなくなる事業者が増えている
- 代位弁済の額を保証債務残高で割ると、2021年度の0.58%から2025年度は1.67%。コロナ前(2015年度1.73%・2019年度1.63%)とほぼ同じ水準に戻った
- 1件あたりの代位弁済は約1,140万円(2025年度)
- 中小企業者のうち信用保証を使っている割合(利用度)は、2025年度で43.1%(約145万社)
出典:全国信用保証協会連合会「日本の信用保証制度」資料「信用保証実績」「信用保証協会利用度」。代位弁済は元利合計。「代位弁済÷残高」は当サイトが計算した参考値です。
審査で見られることと、申込みの流れ
- 取引のある金融機関、またはお近くの信用保証協会に相談する
- 決算書(個人事業主は確定申告書)や資金の使いみちが分かる資料を用意する
- 信用保証協会が審査し、必要に応じて面談する
- 保証が決まると信用保証書が出て、金融機関が融資を実行する
- 保証料率の区分は、決算書をもとにした財務の評価に、財務以外の要素を加えて決まります
- 保証協会や金融機関の審査の結果、希望どおりにならないこともあります
- ビジネスローンなどに落ちた時の考え方はビジネスローン審査落ちの理由7つで整理しています
返せなくなったら?代位弁済と求償権
- 返済ができなくなると、金融機関は保証協会に代位弁済を請求し、保証協会が代わりに返します
- 保証協会は、事業者に対して求償権(代わりに払った分を返してもらう権利)を持ち、事業者は保証協会に返していきます
- 全国信用保証協会連合会は、信用保証料は保険料ではないと明記しています。代位弁済で借金がなくなるわけではありません
- 返済が苦しくなりそうな時は、代位弁済になる前に、金融機関と保証協会に返済条件の変更などを早めに相談しましょう
保証協会付き融資・公庫・ファクタリングの選び方
| こんな時 | 選ぶ方法 |
|---|---|
| 取引銀行があり、決算書で返済の見通しを説明できる | 保証協会付き融資 |
| 保証協会の枠がいっぱいで、売上が落ちている | セーフティネット保証(別枠) |
| 国の金融機関から直接借りたい | 日本政策金融公庫 |
| 取引先の倒産に備えたい | 経営セーフティ共済 |
| 今月の支払いに間に合わない | 期日前の請求書の売却(ファクタリング) |
審査を待つ間の資金繰り
保証付き融資は金利と保証料を合わせても、請求書の売却より費用が安いことが多い方法です。ただ、審査と実行には日数がかかります。その間の支払いが心配な時は、取引先に出した期日前の請求書を売って先にお金にする方法があります。手数料は融資より高くなるので、資金繰り表で足りない分だけにしましょう。
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請求書の売却は手数料がかかり、保証協会付き融資より高くなります。時間があるなら、先に融資を検討してください。審査があります。
信用保証協会のよくある質問
信用保証協会とは何ですか?
中小企業・小規模事業者が金融機関から事業資金を借りる時に保証人となる公的機関です。各都道府県と横浜・川崎・名古屋・岐阜の各市に、全国で51協会あります。
信用保証料率はいくらですか?
決算内容などで9区分に分かれ、責任共有制度の対象なら年0.45〜1.90%、対象外なら年0.50〜2.20%です。セーフティネット保証など一部の制度は特別料率です。
信用保証料はどう計算しますか?
借りる額×保証料率×保証期間(月数)÷12×分割係数で計算します。東京信用保証協会の例では、25回以上の均等分割返済の分割係数は0.55です。
500万円を5年で借りると保証料はいくらですか?
均等分割返済(分割係数0.55)の場合、年1.90%なら261,250円、年1.15%なら158,125円、年0.45%なら61,875円です。実際は保証制度や区分で決まります。
保証協会付き融資はいくらまで借りられますか?
一般保証の限度額は、普通保証2億円と無担保保証8,000万円を合わせた2億8,000万円です。セーフティネット保証などは別枠で使えます。
個人事業主でも使えますか?
使えます。個人事業主は常時使用する従業員数が基準内であれば対象で、連帯保証人は原則必要ありません。農業・漁業など一部の業種は対象外です。
代位弁済とは何ですか?
借りた人が返せなくなった時に、信用保証協会が金融機関に代わりに返すことです。その後は、保証協会に返していく必要があります。2025年度は4万8,176件・5,491億円でした。
保証料は戻ってきますか?
東京信用保証協会は、最終の返済期限より前に完済した場合、規定により保証料の一部を返すことがあるとしています(合計1,000円以下は対象外)。条件は保証協会ごとに決まっているので、利用している協会に確かめてください。
まとめ|保証料の計算を知って、借りる前に比べる
- 全国51協会。中小企業の約43%が利用
- 保証料率は9区分で年0.45〜1.90%(責任共有の対象)。500万円・5年なら約6〜26万円
- 一般保証の限度額は2億8,000万円。個人事業主は連帯保証人が原則不要
- 代位弁済は4年で2.3倍。返済が苦しい時は早めに相談を
関連:セーフティネット保証とは/日本政策金融公庫の融資/ABLとファクタリングの違い/経営セーフティ共済とは
確認した情報:全国信用保証協会連合会「日本の信用保証制度」(2026年9月公開)「ご利用条件」「信用保証料」、東京信用保証協会「信用保証料の計算例」(いずれも2026年10月16日確認)。保証料の試算は仮定の条件です。審査結果や順位・成果を約束するものではありません。
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