ABL(売掛債権担保融資)は売掛金を担保にお金を借りる方法、ファクタリングは売掛金を売る方法です。ABLは金利が年数%と安い代わりに審査と日数がかかり、ファクタリングは手数料が高い代わりに早く使えます。法務省の統計では、債権譲渡登記は4年で約2倍に増えていました。
PR:本記事には広告リンクが含まれます。金利・手数料・保証料は金融機関や会社ごとに違います。申し込む前に必ず確かめてください。
30秒で分かる結論
- ABLは融資(借入れ)。返済と利息があり、売掛金や在庫は「担保」になる
- ファクタリングは売買。借入れではなく、取引先が払えなくても返済しないのが原則(償還請求権なしの契約の場合)
- 500万円を60日用意する費用は、ABL(年3%と仮定)約3.2万円、ファクタリング(10%)50万円。時間があるならABLが安い
- ABLは銀行の審査と準備に時間がかかる。今月の支払いに間に合わない時は、ファクタリング
- 債権譲渡登記は2021年13,210件→2025年26,181件(法務省の登記統計)
PR|ABLの審査・準備が間に合わない時は
ファクタリングは融資より手数料が高くなります。時間があるなら、取引銀行のABLや融資も比べてください。審査があります。
「売掛金でお金を作りたい。借りるのと売るの、どっちが得?」で止まっていませんか?
銀行に「不動産の担保がないなら、売掛金を担保にするABLはどうですか」と言われた。一方で、ネットではファクタリングの広告をよく見る。どちらも売掛金を使うのに、何が違うのか分からない、という相談は少なくありません。
どちらも「売掛金」と「登記」が出てくるから、迷うのは当然です
ABLでも2社間ファクタリングでも、法人の場合は債権譲渡登記を使うことがあります。同じ登記が出てくるので似たものに見えますが、お金を借りるのか、売掛金を売るのかという根本が違います。
ABL(売掛債権担保融資)とは?わかりやすく
- ABLは Asset Based Lending の略で、日本語では「動産・売掛金担保融資」と呼ばれます
- 売掛金だけを担保にするものを「売掛債権担保融資」、在庫や機械などの動産を担保にするものを「動産担保融資」と呼ぶことが多いです
- 借入れなので、決められた日に元金と利息を返済します。取引先が払えなくなっても、返済の義務は残ります
- 担保の売掛金や在庫の残高を、定期的に金融機関へ報告するのが一般的です。この手間が「動産担保融資の問題点」として挙げられることがあります
ファクタリングとは?ABLとの一番の違い
ファクタリングは、まだ入金されていない売掛金(請求書)を、ファクタリング会社に手数料を引いた額で売る方法です(ファクタリングとは)。借入れではないので、決算書の借入金は増えません。取引先が倒産して払えなくなった時に、自分が代わりに払わなくてよいかは「償還請求権」の有無で決まります。契約書で必ず確かめましょう。
【比較表】ABLとファクタリングの違い|費用・日数・審査・登記・信用情報
| 項目 | ABL(売掛債権担保融資) | ファクタリング |
|---|---|---|
| しくみ | 売掛金を担保に借りる | 売掛金を売る |
| 費用 | 金利(年数%)+保証料・登記の費用など | 手数料(2社間は10%前後が多い) |
| 入金までの日数 | 銀行の審査・担保の評価・登記の準備が必要で、日数がかかる | 口コミ637件では12時間以内が65%(当サイト集計) |
| 審査で見られること | 自社の業績・返済できる力・担保の価値 | 主に取引先(売掛先)の信用 |
| 赤字・創業間もない | 通りにくい | 相談できる会社がある |
| 取引先が払えない時 | 自社が返済を続ける | 償還請求権なしなら返さない |
| 債権譲渡登記 | 法人は使うことが多い | 2社間で求められることがある(会社による) |
| 決算書 | 借入金が増える | 借入金は増えない |
| 使える金額 | 大きい(保証付きなら借入2億5,000万円まで) | 売掛金の額が上限 |
ファクタリングの入金時間は、当サイトが集計した口コミ637件(申込みから入金まで)の結果です。会社や時期によって変わります。
【独自試算】500万円を60日用意する費用
| 方法 | 計算 | 費用 |
|---|---|---|
| ABL(金利年3%と仮定+登録免許税) | 500万円×3%×60日÷365日+7,500円 | 約32,200円 |
| ABL(年3%+保証協会の保証料0.68%と仮定) | 500万円×3.68%×60日÷365日+7,500円 | 約37,700円 |
| ABL(年5%と仮定) | 500万円×5%×60日÷365日+7,500円 | 約48,600円 |
| ファクタリング(2社間・手数料10%) | 500万円×10% | 50万円 |
| ファクタリング(3社間・手数料5%) | 500万円×5% | 25万円 |
- 登録免許税7,500円は、債権譲渡登記1件の額です(債権譲渡登記の費用)
- ABLには、ほかに司法書士の報酬や金融機関の手数料がかかることがあります。保証料は根保証の場合、借入極度額に対してかかります
- それでも費用の差は大きく、時間があるならABL(融資)が安いのが基本です。ただし、審査と準備に時間がかかるため、今月の支払いに間に合わない時は費用が高くてもファクタリング、という使い分けになります
2社間と3社間の手数料の違いは2社間と3社間ファクタリングの違い、手数料の相場はファクタリングの手数料相場で整理しています。
【独自集計】債権譲渡登記は4年で2倍|法務省の登記統計
法務省の「登記統計」(2026年5月29日公表)から、債権譲渡登記の件数を当サイトが年ごとに集計しました。
| 年 | 債権譲渡登記 | 質権設定登記 | 延長・抹消などを含む総数 |
|---|---|---|---|
| 2016年 | 14,891件 | 157件 | 34,406件 |
| 2019年 | 15,667件 | 320件 | 37,342件 |
| 2021年 | 13,210件 | 298件 | 33,329件 |
| 2022年 | 13,939件 | 151件 | 34,315件 |
| 2023年 | 16,722件 | 136件 | 40,922件 |
| 2024年 | 22,358件 | 149件 | 55,973件 |
| 2025年 | 26,181件 | 184件 | 67,507件 |
分かったこと
- 債権譲渡登記は、2021年の13,210件から2025年の26,181件へ約2倍(+98%)。2024年からも+17%
- 延長・抹消などを含む総数も、4年で約2倍(33,329件→67,507件)
- 登記はABLにも、2社間ファクタリングにも使われます。どちらの分かは統計からは分けられません。ただ、売掛金を使った資金調達が増えていることは読み取れます
出典:法務省「登記統計」動産・債権譲渡登記の種類別件数(2016〜2025年、2026年5月29日公表)。2017・2018・2020年は表から省きました。
信用保証協会の「流動資産担保融資保証制度」とは
信用保証協会そのものの仕組みや、保証料率(年0.45〜1.90%の9区分)と保証料の計算方法は信用保証協会の保証料の計算と料率で整理しています。
売上が落ちている時は、信用保証協会のセーフティネット保証なら、一般の保証とは別枠(普通保証2億円・無担保保証8,000万円など)で借りられることがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使える人 | 中小企業・小規模事業者 |
| 保証限度額 | 2億円(金融機関からの借入限度額は2億5,000万円) |
| 保証割合 | 80%の部分保証 |
| 保証期間 | 根保証は1年間、個別保証は1年以内 |
| 保証人 | 不要 |
| 担保 | 売掛債権と棚卸資産(在庫)のみ。個別保証は売掛債権のみ |
| 保証料率 | 借入極度額・借入金額に対して年0.68% |
「売掛金担保融資 保証協会」で調べている人は、この制度のことです。申込みは取引のある金融機関か、地域の信用保証協会に相談します。
出典:一般社団法人全国信用保証協会連合会「さまざまな保証制度」流動資産担保融資保証制度(ABL保証)(2026年10月16日確認)。
2026年5月に始まった「企業価値担保権」とABLの違い
「事業性融資の推進等に関する法律」が2026年5月25日に施行され、「企業価値担保権」が使えるようになりました。不動産の担保や経営者の保証に頼らず、事業の将来性を見て融資を受けられるようにするための制度です。
| 項目 | ABL | 企業価値担保権 |
|---|---|---|
| 担保にするもの | 売掛金・在庫など特定の資産 | 会社の総財産(事業全体) |
| 登記 | 債権譲渡登記・動産譲渡登記 | 商業登記簿に登記 |
| 使える人 | 法人・個人事業主(個人は登記以外の方法) | 会社 |
| 主な注意 | 担保の残高の報告 | 融資の前提の事業計画を超える財産の処分などに制約 |
「企業価値担保権のデメリット」として気をつけたいのは、担保が会社の財産全体に及ぶことと、金融機関と事業計画を共有し続ける必要があることです。金融機関には制度の内容を説明する義務があるので、申し込む前に説明をよく聞きましょう。
出典:金融庁「企業価値担保権」制度の概要(担保目的財産は会社の総財産・7条、商業登記簿への登記・15条、説明義務・40条)(2026年10月16日確認)。
個人事業主はABLを使える?
- 保証協会の制度は中小企業・小規模事業者が対象で、個人事業主も相談できます
- ただし、個人事業主は債権譲渡登記ができません。売掛金を担保にするには、取引先への通知か、取引先の承諾が必要になります
- 取引先に知られたくない、少額で急ぎ、という時は、個人事業主の請求書を買い取るファクタリングの方が使いやすいことが多いです(取引先にバレる?)
ABLとファクタリングの選び方|早見表
売掛金を担保にしない普通の融資なら、個人事業主は日本政策金融公庫の一般貸付(4,800万円まで)やマル経融資(2,000万円まで)も比べましょう。
| こんな時 | 選ぶ方法 |
|---|---|
| 支払いまで1〜2か月以上あり、取引銀行がある | ABL・融資を先に相談 |
| 今月の支払いに間に合わない | ファクタリング |
| 赤字・創業間もない・融資を断られた | ファクタリング(審査落ちの次の一手) |
| 数千万円以上を継続して用意したい | ABL(保証協会の保証付きも) |
| 不動産も含め、事業全体で大きく借りたい | 企業価値担保権を扱う金融機関に相談 |
| 足りない額と時期がまだ分からない | 先に資金繰り表で確かめる |
ABLの審査や準備が間に合わない時、売掛金をすぐに現金にしたい法人向けの窓口です。ファクタリングは融資より手数料が高くなるので、必要な分だけにしましょう。
PR|売掛金を、ABLより早く現金にする
ファクタリングは融資より手数料が高くなります。時間があるなら、取引銀行のABLや融資も比べてください。審査があります。
どちらを使う前にも確かめること
- 必要運転資金と資金繰り表で、足りない額と、いつまでに必要かを出す
- 取引銀行に、ABL・保証協会の保証付き融資を相談する(日数の目安も聞く)
- 間に合わない分だけ、ファクタリングの見積もりを2社以上で比べる(おすすめ10社の比較)
- どちらでも、契約書の登記・償還請求権・手数料の条文を確かめる
手形でもらう取引がある会社は、でんさいの割引も費用の安い方法です。
あわせて読みたい:売掛保証とファクタリングの違い
ABLとファクタリングのよくある質問
ABLとファクタリングの違いは何ですか?
ABLは売掛金や在庫を担保にお金を借りる融資で、返済と利息があります。ファクタリングは売掛金を売る取引で、借入れではありません。ABLは費用が安く、ファクタリングは入金が早いのが違いです。
売掛債権担保融資とは何ですか?
売掛金を担保にして、銀行などからお金を借りる融資です。ABLの一つで、法人は債権譲渡登記で担保にすることが多いです。
ABLとファクタリングはどちらが安いですか?
当サイトの試算では、500万円を60日用意する場合、ABL(年3%と仮定)は約3.2万円、ファクタリング(手数料10%)は50万円です。時間があるならABLの方が安い計算です。
売掛金担保融資に保証協会の保証は使えますか?
使えます。全国信用保証協会連合会の案内では、流動資産担保融資保証制度の保証限度額は2億円、保証割合は80%、保証料率は年0.68%です。
個人事業主でもABLは使えますか?
保証協会の制度は中小企業・小規模事業者が対象ですが、個人事業主は債権譲渡登記ができないため、取引先への通知か承諾が必要です。取り扱う金融機関は限られます。
企業価値担保権とは何ですか?
2026年5月25日に始まった制度で、会社の総財産(事業全体)を担保にして融資を受ける仕組みです。商業登記簿に登記します。
債権譲渡登記の件数は増えていますか?
法務省の登記統計では、2025年の債権譲渡登記は26,181件で、2021年の13,210件から約2倍です。ABLとファクタリングのどちらの分かは分けられません。
ABLの審査に落ちたらどうすればいいですか?
保証協会の保証付き融資やビジネスローンを比べ、それでも間に合わない分は、取引先の信用を主に見るファクタリングで補う方法があります。手数料は融資より高くなります。
まとめ|ABLは安いが時間がかかる融資、ファクタリングは早いが高い売買
- ABLは売掛金を担保に借りる融資、ファクタリングは売掛金を売る取引
- 500万円・60日なら、ABL(年3%と仮定)約3.2万円、ファクタリング(10%)50万円
- 債権譲渡登記は4年で約2倍。2026年5月には企業価値担保権も始まった
関連:債権譲渡登記とは/ファクタリングとビジネスローンの違い/ファクタリングとは/必要運転資金の計算方法
確認した情報:法務省「登記統計」(2026年5月29日公表)、全国信用保証協会連合会「流動資産担保融資保証制度」、金融庁「企業価値担保権」制度の概要(いずれも2026年10月16日確認)。金利・手数料の試算は仮定の値です。順位や成果、審査結果を約束するものではありません。
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