経営のピンチ脱出

納税の猶予と換価の猶予の違い|要件・申請書の書き方・延滞税(猶予中は年1.3%)、国税庁の処理件数は換価の猶予が109倍【2026年10月】

税金を一度に払えない時に使う国の制度は、「換価の猶予」と「納税の猶予」の2つです。災害・病気・休廃業・大きな損失がなければ、使うのは換価の猶予です。申請は納期限から6か月以内で、原則1年以内の分割になり、延滞税は年1.3%(2026年)に下がります。国税庁の数字では、換価の猶予(申請)は年46,779件、納税の猶予は年428件でした。申請書の書き方と、申請が遅れると増える延滞税も金額で示します。

PR:本記事には広告リンクが含まれます。税金の支払いが難しい時は、まず税務署に相談してください。制度は国税庁「猶予制度の概要・申請方法」「猶予の申請の手引(令和8年4月)」「国税の納税の猶予制度FAQ」、e-Gov法令検索の条文、件数は財務省「国税庁実績評価書」で確かめています(2026年10月17日確認)。相続税・農地・事業承継の「納税猶予」は別の制度で、この記事では扱いません。

30秒で分かる結論

  • ふつうに「払えない」時に使うのは換価の猶予。納税の猶予は災害・病気・休廃業・著しい損失の時
  • 換価の猶予は納期限から6か月以内に申請。原則1年以内の分割(最長2年)
  • 猶予中の延滞税は年1.3%(2026年)。何もしないと年2.8%→2か月後から年9.1%
  • 延滞税が下がるのは申請した日から。できれば納期限までに申請すると一番安い
  • 100万円以下なら担保なし、添付は財産収支状況書1枚

まず相談したい人は相談先、申請書を書く人は申請書の書き方へ進んでください。

「納付書の金額を、期限までに一度に払えない」

結論払えないと分かった時点で税務署に相談し、猶予を申請します。黙って遅れると延滞税が上がり、差押えに進みます。

確定申告をしたら思ったより納める額が多かった、売上が落ちて納税資金が足りない。こんな時に一番してはいけないのは、何も連絡せずに放っておくことです。納期限を過ぎると延滞税がかかり、督促状が届き、その後も払わないと財産の差押えに進みます。国の制度には、一度に払えない人のための猶予があります。

猶予は「特別な人の制度」ではない

結論黒字でも、手元のお金が足りなければ猶予は使えます。国税庁の数字では、申請による換価の猶予は年4.7万件です。

国税庁のFAQは「黒字であっても、要件を満たせば猶予が受けられます」と答えています。対象はほとんどすべての税目で、確定申告分だけでなく、中間申告・予定納税・修正申告の分も猶予を受けられます。申請による換価の猶予は年46,779件(2024年7月〜2025年6月)。決して珍しい手続きではありません。

納税の猶予と換価の猶予の違い|早見表

結論災害・病気・休廃業・大きな損失があれば納税の猶予、それ以外で一度に払えない時は換価の猶予を使います。
換価の猶予(申請)納税の猶予
使える時一度に払うと事業や生活が続かない時災害・盗難、本人や家族の病気、事業の休廃止、事業の著しい損失などで一度に払えない時。法定申告期限から1年以上たって税額が決まった時(修正申告など)も
申請の期限納期限から6か月以内事実がある時に申請(1年以上たって確定した国税は、その納期限まで)
ほかの滞納ほかに滞納している国税があると、認められないことがあるほかに滞納があっても申請できる
期間原則1年以内(延長して最長2年)原則1年以内(延長して最長2年)
猶予中の延滞税年1.3%(2026年)災害・病気などは全額免除、休廃業・著しい損失などは年1.3%(2026年)
担保原則必要。ただし100万円以下・3か月以内・出せる担保がない時は不要
法律国税徴収法151条の2国税通則法46条

どちらも、認められると新しい差押えや財産の売却(換価)が止まり、分割で納めます。どちらに当たるか分からない時は、税務署の徴収担当に事情を話せば案内してもらえます。

猶予を申請しないまま督促から10日たつと、売掛金などの差し押さえに進みます。差し押さえの流れと解除の方法は、売掛金の差し押さえ|流れ・取引先への影響・解除の方法で説明しています。

【独自集計】猶予は年何件?国税庁の処理件数(令和元〜6事務年度)

結論令和6事務年度は換価の猶予(申請)46,779件、納税の猶予428件。差押えは5年で5.4倍の82,447件です。

財務省が公表している「国税庁実績評価書」には、参考指標として「納税の猶予及び換価の猶予の処理件数」と「差押件数」がのっています。令和6事務年度版(2025年10月公表)と令和4事務年度版から、当サイトが表にまとめました。事務年度は7月から翌年6月までです。

事務年度納税の猶予換価の猶予(職権)換価の猶予(申請)差押件数
令和元(2019年7月〜)102,04417,53734,896391,381
令和2(2020年7月〜)237,21034,53346,89415,293
令和3(2021年7月〜)8,16039,23073,28235,393
令和4(2022年7月〜)1,60125,87257,56170,407
令和5(2023年7月〜)42021,53747,05972,896
令和6(2024年7月〜)42819,64546,77982,447
この表から分かること
  • 令和6事務年度は、換価の猶予(申請)が納税の猶予の約109倍。コロナ禍の特例(2020年)が終わった今、ふつうに「払えない」人が使うのは換価の猶予です
  • 換価の猶予(申請)は令和3事務年度の73,282件から36%減。一方、差押件数は令和2事務年度の15,293件から5.4倍に増えました
  • 令和5事務年度からは、差押えの件数が換価の猶予(職権+申請)の件数を上回っています(令和6:差押え82,447件、換価の猶予66,424件)
  • 国税の滞納人員は令和6年度で523,735人。件数と人数は数え方が違うので割合は出しませんが、申請しないまま遅れる人のほうがずっと多いことが分かります

※「処理件数」は国税庁の数え方で、許可件数とは限りません。令和元・2事務年度の納税の猶予の多さは、2020年4月からのコロナ禍の特例猶予によるものです。出典:財務省「令和6事務年度 国税庁実績評価書」「令和4事務年度 国税庁実績評価書」業績目標1-4-2の参考指標2〜4。

換価の猶予の要件|5つすべてに当てはまる時

結論一度に払うと事業や生活が続かない、払う気がある、ほかに滞納がない、納期限から6か月以内、原則担保ありの5つです。
  1. 一度に払うと、事業の継続や生活の維持が難しくなるおそれがある:不要な資産を処分するなどした後でも、一度に払うと休業・廃業のおそれがある。または、最低限の生活費が残らなくなる
  2. 納税について誠実な意思がある:その税金を優先して払う気持ちがあると税務署が認められること
  3. 猶予を受けたい国税のほかに滞納がない
  4. 納期限から6か月以内に申請書を出す
  5. 原則として担保を出す(100万円以下・3か月以内・出せる担保がない時は不要)

「一度に払えない」とは、手元のお金から当面の資金繰りに必要な額を引いた残りが、納める額に足りない状態です(国税庁FAQ)。おおむね1か月以内に払う予定の運転資金は、手元に残してよいとされています。

納税の猶予の要件|災害・病気・休廃業・著しい損失

結論災害や盗難、本人や家族の病気、事業の休廃止、著しい損失などで一度に払えない時に、申請して使います。
  • 本人の財産が災害を受けた、盗難にあった
  • 本人または生計を一にする家族が病気・けがをした
  • 事業をやめた、休んだ
  • 事業で著しい損失を受けた(売上の大きな減少や経費の大きな増加による損失を含む)
  • 法定申告期限から1年以上たって、修正申告などで税額が決まった(その納期限までに申請)

納期限の前に災害で財産に相当な損失(おおむね全財産の20%以上)を受けた時は、担保なし・延滞税なしの別の納税の猶予もあります。

「著しい損失」の基準|前の1年の利益の半分を超える赤字

結論申請前1年の損失が、その前の1年の利益の2分の1を超える時です。売上の大きな減少で赤字の時も含まれます。

国税庁の手引では、猶予を受けたい期間の始まる前日までの1年間(調査期間)の損益で、その前の1年間(基準期間)の利益の2分の1を超えて損失が出ていることを「事業につき著しい損失を受けた」としています。基準期間も赤字なら、調査期間の赤字が基準期間の赤字より大きいことが基準です。

例前の1年(基準期間)直近1年(調査期間)著しい損失?
A利益400万円損失250万円当たる(200万円を超える赤字)
B利益400万円損失150万円当たらない(換価の猶予を検討)
C損失100万円損失180万円当たる(赤字が増えた)

※例は当サイトが手引の基準に当てはめたものです。実際の判断は税務署が行います。

申請期限はいつ?2027年に納める税金の早見表

結論換価の猶予は納期限から6か月以内。2027年3月15日が期限の所得税なら、申請は9月15日までです。
税金納期限(2027年)換価の猶予の申請期限
源泉所得税(納期の特例・7〜12月分)1月20日(水)7月20日(火)まで
所得税(令和8年分の確定申告)3月15日(月)9月15日(水)まで
個人事業者の消費税(令和8年分)3月31日(水)9月30日(木)まで
法人税・法人の消費税決算日の2か月後その6か月後まで(例:9月決算→11月30日→翌年5月31日まで)

延滞税は納期限の翌日からかかります。次の試算のとおり、申請はできれば納期限までに出すのが一番安くなります。振替納税の引落日や、法人の申告期限の延長がある時は、税務署に確かめてください。消費税の分は消費税が払えない時にもまとめています。

【独自試算】延滞税はいくら下がる?100万円を6回で払う場合

結論納期限までに申請すれば約3,800円、2か月遅れて申請すると約6,100円、猶予なしで分けて払うと約17,000円です。

納期限が2027年3月31日の100万円(個人事業者の消費税の例)を、4月末から9月末まで毎月約16.7万円ずつ払う場合を、当サイトが計算しました。

払い方延滞税の目安
納期限までに換価の猶予を申請約3,800円
納期限から2か月後(5月31日)に申請約6,100円
猶予を申請せず、自分で6回に分けて払う約17,000円
猶予を申請せず、9月末に一度に払う約35,100円
参考:12回に分けて、納期限までに申請約7,100円(猶予なしだと約39,400円)
  • 延滞税が軽くなるのは申請した日からです。納期限を過ぎて申請すると、納期限の翌日から申請の前日までは通常の割合になります(国税庁FAQ問24・問31)
  • 納期限までに申請すると、猶予の期間は納期限の翌日から始まります(国税庁の手引)
  • 参考:国税のクレジットカード納付は100万円で9,900円。カードで払った税金は、あとから猶予を受けられません

※2027年の延滞税の割合は未発表のため、2026年の割合(2か月まで年2.8%、その後年9.1%、猶予中年1.3%)が続くとして計算しました。本税の1万円未満と延滞税の100円未満の切り捨ては省いています。猶予中の年1.3%は、租税特別措置法94条2項の「猶予特例基準割合」(平均貸付割合+年0.5%)から当サイトが計算した値で、国税庁「延滞税の割合」ページの利子税特例基準割合と同じ式です。

申請書の書き方|換価の猶予申請書の5つの欄

結論納付すべき国税、今すぐ払える額、猶予を受けたい額、払えない事情、毎月の納付計画の5つを書きます。

申請書は国税庁のホームページからPDFかExcelでダウンロードできます(国税庁「猶予制度の概要・申請方法」)。e-Tax(スマホのWEB版も可)でも出せます。

欄書くこと
①納付すべき国税未納の国税を全部書く(税目・納期限・本税など)。延滞税は本税を全部払っていなければ「要」。猶予を受けたいものに○
③現在納付可能資金額財産収支状況書(100万円超は財産目録)で計算した「今すぐ払える額」を転記
④猶予を受けようとする金額②(①の合計)−③
事情の詳細一度に払うと事業や生活が続かない理由(次の見出し)
⑤納付計画毎月の分割額と日付。財産収支状況書(100万円超は収支の明細書)から転記

猶予期間は、ふつうは申請書を出した日から、最後の分割の日までです。手引の記載例では、78万円の国税のうち18万円を今払い、残り60万円を7か月で分けて払う計画になっています。

「事情の詳細」欄の書き方|3つの要素を入れる

結論何が起きて、今どう節約していて、全部払うと何が払えなくなるかの3つを、数字を入れて書きます。
  1. 何が起きたか:「売上の約30%を占めていた取引先との契約が昨年11月で終わった」「単価の引下げで売上が前年の65%に落ちた」など、数字で
  2. 今どうしているか:「経費を節約し、家賃の安い住居に移って事業資金を出している」など、自分でできることはしていると分かるように
  3. 全部払うと何が困るか:「今月の入金を全部税金に充てると、仕入先への支払いができず、材料が仕入れられなくなる」など、具体的に

国税庁の手引の記載例も、この3つの順で書かれています。うそや大げさな書き方はせず、帳簿や通帳で確かめられる内容にしてください。

添付書類|100万円以下は1枚、超えると2種類

結論100万円以下なら財産収支状況書、超えると財産目録と収支の明細書を付けます。通帳や帳簿も用意します。
猶予を受けたい額付ける書類
100万円以下換価の猶予申請書+財産収支状況書
100万円超換価の猶予申請書+財産目録+収支の明細書(担保が要る時は担保の書類も)
  • 元帳・売上帳など収支が分かる書類、現金出納帳や預金通帳を用意すると、審査がスムーズです(国税庁FAQ問26)
  • 住民税や社会保険料で猶予を申請した時の申請書・財産収支状況書の写しを付けると、一部の記載や添付を省けます
  • 納税の猶予の場合は、災害・病気などの事実が分かる書類も付けます

毎月いくらずつ払う?分割額の決まり方

結論毎月の収入から必要な支出を引いた残りが分割額の目安です。おおむね1か月分の運転資金は手元に残せます。

財産収支状況書では、今後の平均的な月の収入と支出を書き、その差(納付可能基準額)をもとに毎月の分割額を決めます。猶予の期間は、最も早く完納できる期間になります。税務署の審査で、申請より短い期間や違う計画で許可されることもあります。

月ごとの入金と支払いを先に書き出しておくと、無理のない分割額を出しやすくなります。資金繰り表の作り方(無料テンプレート)も使ってください。

担保は要る?要らない3つの場合

結論猶予の額が100万円以下、期間が3か月以内、出せる担保がない時は、担保は要りません。

猶予には原則として担保が必要です。ただし①猶予を受ける金額が100万円以下 ②猶予の期間が3か月以内 ③出せる担保がないのどれかなら不要です(国税通則法46条5項・国税徴収法152条)。担保が必要な時は、担保提供書や不動産の抵当権の書類などを出します。くわしくは税務署の徴収担当に聞いてください。

申請から許可まで|補正は20日以内、督促状は届く

結論申請後に不備の連絡が来たら20日以内に直します。申請中でも督促状は届きますが、手続きは進んでいます。
  1. 税務署に電話で相談:日時を決め、持っていく資料を聞く(予約なしで行くより確実)
  2. 申請書と添付書類を出す:e-Tax・郵送・持参。税務署は平日8時30分〜17時、閉庁日は時間外収受箱へ
  3. 審査:職員から事情・財産・収支について質問されたり、帳簿を見せるよう求められたりする
  4. 補正:補正通知書を受けた日の翌日から20日以内に直さないと、申請を取り下げたものとみなされる
  5. 許可・不許可の通知:許可なら「猶予許可通知書」の分割計画どおりに納める

申請中や許可の後でも、督促状は送られてきます(国税庁の手引)。驚かずに、許可通知書の計画どおりに納めてください。猶予を受けた税金は、e-Taxに登録した口座から指定日に引き落とす「ダイレクト分納」でも払えます(税務署と相談してから)。

断られる・取り消される場合|職権の換価の猶予もある

結論ほかの滞納、質問への非協力、分割の遅れで断られたり取り消されたりします。期限後でも職権の猶予があります。
  • 不許可になる例:要件に当てはまらない、差押えや破産などの手続きが始まって完納できない、職員の質問に答えない・帳簿を見せない、不許可やみなし取下げの後に同じ税金でもう一度申請した
  • 取り消される例:分割の計画どおりに払わない、新しく別の税金を滞納した、担保の変更の命令に従わない、事情が変わった(やむを得ない理由がある時を除く)
  • 職権の換価の猶予:すでに滞納がある、納期限から6か月を過ぎた時でも、税務署長の判断で換価の猶予を受けられる場合がある(令和6事務年度19,645件)

分割が払えない月が出そうな時は、払えなくなる前に税務署に連絡してください。やむを得ない理由があれば、計画の変更や期間の延長が認められることがあります。不許可や取消しに不服がある時は、決められた期間内に不服申立てができます。

猶予のデメリット|納税証明書「その3」が出ない

結論猶予中は「未納がない」証明が出ず、融資や入札で困ることがあります。延滞税もゼロにはなりません。
  • 納税証明書「その3」(未納の税額がないことの証明)は、猶予を受けている税目では発行されません。「その1」には猶予中であることが書かれます。金融機関の融資や入札で「その3」を求められたら、提出先に代わりの書類を聞いてください(「その2」「その4」は発行されます)
  • 延滞税は軽くなるだけで、ゼロではありません(災害・病気などの納税の猶予を除く)
  • 分割を1回でも遅れると、取り消されて差押えに進むおそれがあります
  • 無理をして払った税金を返してもらい、あとから猶予を受けることはできません(国税庁FAQ問5)
  • カードで払った税金は、あとから猶予を受けられません

住民税・国保・社会保険料の猶予は窓口が別

結論国税は税務署、住民税は市区町村、厚生年金などは年金事務所へ。それぞれに猶予の申請があります。
払えないもの相談・申請先
所得税・消費税・法人税・源泉所得税所轄の税務署(徴収担当)
住民税・固定資産税・自動車税・国民健康保険税都道府県・市区町村の担当窓口
厚生年金保険料など日本年金機構(年金事務所)
労働保険料都道府県労働局

税金と社会保険料が重なって払えない会社は、税金・社会保険料が払えない時(運送会社の例)も参考にしてください。

分割が払えない月の資金づくり|費用を比べる

結論猶予の分割が払えない月は、まず税務署に相談します。入金前の売掛金があれば2社間ファクタリングも方法です。

猶予の延滞税(年1.3%)は、ほかのどの方法よりも安い費用です。まずは猶予を申請し、それでも分割の支払いが足りない月があれば、ほかの方法を考えます。

方法(100万円の例)費用の目安
換価の猶予(6回分割・納期限までに申請)約3,800円
国税のクレジットカード納付9,900円(+カードの分割手数料。猶予は受けられなくなる)
日本政策金融公庫などの融資金利と審査の期間しだい(公庫の個人事業主向け融資)
2社間ファクタリング(手数料10%の例)10万円

すぐに現金が必要で、入金前の売掛金がある時は、取引先に知られない2社間ファクタリングで分割の不足分をつくる方法もあります。手数料は猶予の延滞税よりずっと高いので、足りない分だけにして、申し込む前に手取りを確かめましょう。税金を滞納している時の各社の扱いは税金滞納でも使えるファクタリングにまとめています。

次の入金日までお金が足りない時の「2つの調達ルート」

ガソリン代・修理代・税金の支払いが次の入金日まで持たない時は、取引先に出した「請求書」が手元にあるかどうかで、損をしない方法が変わります。

今の状況選ぶ方法おすすめ費用の目安手続きの特徴(公式)
請求書がない
配達員(Uber Eats・出前館・ロケットナウ・Amazon Flexなど)、請求書をまだ出していない個人事業主
無利息期間のある借入れセントラル実質年率4.80〜18.00%。はじめての契約は翌日から最大30日間、金利0円当社の限度額50万円以下・他社を含めた借入れ100万円以下なら収入証明は不要。平日14時までの申込で当日振込、セブン銀行ATMでも借りられる
請求書がある
取引先に出して入金を待っている請求書がある個人事業主・会社
借入れにならない請求書の買取(ファクタリング)QuQuMo(金額が大きい時)
ペイトナー(1万円からの少額)
ペイトナーは一律10%+振込手数料330円。QuQuMoは公式「1%〜」、2026年の口コミは10%が中心借入れではないので、ペイトナー公式は「信用情報にも影響なし」と案内。どちらも来店不要

10万円を30日使った時の費用(当サイトの計算):セントラルは、はじめての契約で30日以内に返せば0円(無利息が終わった後は年18%で30日1,479円)。ペイトナーは手数料10%と振込手数料で10,330円。30日以内に返せるなら借入れ、借金を増やしたくないなら請求書の買取が向いています。

確認した情報(2026年10月23日確認):セントラル公式(貸付条件・最大30日金利0円サービス・はじめてのお客さまへ)、ペイトナー公式(トップ・料金)、QuQuMo公式。費用の計算と口コミの件数は当サイトによるものです。審査の結果は約束されません。

PR|猶予の分割が足りない月の、入金前の売掛金の現金化

税金の支払いが難しい時は、まず税務署に相談してください。ファクタリングは審査があり、手数料がかかります。2社間は原則として取引先に通知しません(各社の公式)。

ペイトナーを使う前に:ペイトナーの利用規約(7条)は、「税金及び社会保険料等の滞納や過誤等もないこと」を利用の条件にしています。使えるのは、納期限の前で、まだ滞納になっていない時です。すでに滞納している・督促を受けている時は申し込めません。

PR|請求書がない時は、返せる額だけ借入れ

セントラルに申し込む(請求書がない時の借入れ)

審査があります。実質年率4.80〜18.00%(100万円以上は15.00%まで)、遅延損害金は年20.00%。はじめての契約は契約日の翌日から最大30日間金利0円。返せる額だけ、計画的に借りましょう。

相談先|税務署の徴収担当、税理士

結論まず所轄の税務署の徴収担当に電話します。申請書づくりは税理士に頼むこともでき、e-Taxでも出せます。
  • 所轄の税務署(徴収担当):猶予の相談と申請。納付書・申告書・通帳を手元に用意して電話する。申請書の書き方も電話で教えてもらえる
  • 税理士:申請書の代理提出ができる(e-Taxの代理はパソコンから)
  • よろず支援拠点:資金繰りを含む経営の相談(無料)。47都道府県の窓口一覧

今日やること|納期限を確かめて、税務署に電話する

結論納付額と納期限を確かめ、今払える額を計算して、税務署に電話し、できれば納期限までに申請しましょう。
  • □ 納付額と納期限を確かめた(申請期限は納期限から6か月)
  • □ 災害・病気・休廃業・著しい損失に当たるか確かめた(当たれば納税の猶予)
  • □ 手元のお金から1か月分の運転資金を引いて、今払える額を出した
  • □ 毎月払える額を決めた(資金繰り表)
  • □ 税務署の徴収担当に電話した
  • □ カードで払う前に、猶予を使うかを決めた

あわせて読みたい:社会保険料が払えない時(換価の猶予・延滞金・年金機構の差押え件数)

あわせて読みたい:住民税・国保・国民年金が払えない時(市区町村・年金事務所の窓口と免除)

あわせて読みたい:借りる前に使える公的な制度7つ(緊急小口資金・住居確保給付金・携帯料金)

よくある質問

結論違い、申請の期限、延滞税、担保、書類、黒字の時、断られた時、納税証明書について8つにお答えします。
納税の猶予と換価の猶予の違いは何ですか?

納税の猶予は、災害・病気・事業の休廃止・著しい損失などで一度に払えない時の制度です(国税通則法46条)。換価の猶予は、そうした事情がなくても、一度に払うと事業や生活が続かない時に、納期限から6か月以内に申請して使う制度です(国税徴収法151条の2)。

換価の猶予の申請はいつまでですか?

納期限から6か月以内です。延滞税が軽くなるのは申請した日からなので、できれば納期限までに申請すると一番安くなります。6か月を過ぎても、税務署長の職権で換価の猶予を受けられる場合があります。

猶予を受けると延滞税はいくらになりますか?

2026年は、猶予を受けた期間は年1.3%です(当サイトの計算)。災害・病気などによる納税の猶予は全額免除です。猶予がないと、納期限の翌日から2か月までは年2.8%、その後は年9.1%です。

担保は必要ですか?

原則必要ですが、猶予を受ける金額が100万円以下、期間が3か月以内、出せる担保がない時は不要です。

申請に必要な書類は何ですか?

猶予を受けたい額が100万円以下なら、申請書と財産収支状況書です。100万円を超えると、財産収支状況書の代わりに財産目録と収支の明細書を付けます。通帳や帳簿も用意しておくと審査がスムーズです。

黒字でも猶予を受けられますか?

受けられます。国税庁のFAQは、黒字であっても要件を満たせば猶予が受けられると答えています。手元のお金が足りず、一度に払うと事業や生活が続かないかどうかで判断されます。

猶予を断られたらどうなりますか?

「猶予不許可通知書」が届きます。不服があれば決められた期間内に不服申立てができます。同じ税金ですぐに申請し直すと、誠実な申請ではないとして断られることがあるので、まず税務署に理由と今後の払い方を相談してください。

納税の猶予と徴収の猶予は違いますか?

違います。徴収の猶予は、更正の請求や不服申立てをしている時などに、法律にもとづいて税金の徴収を待つ仕組みです。お金が足りずに払えない時に使うのは、この記事の換価の猶予と納税の猶予です。

まとめ|普通は換価の猶予を、できれば納期限までに

結論普通は換価の猶予を、納期限から6か月以内(できれば納期限まで)に申請します。分割になり、延滞税は年1.3%です。
  • 使うのはほぼ換価の猶予(年46,779件)。納税の猶予(年428件)は災害・病気・休廃業・著しい損失の時
  • 申請は納期限から6か月以内。延滞税が下がるのは申請日からなので、早いほど安い
  • 原則1年以内の分割、延滞税は年1.3%(2026年)。100万円以下は担保なし・添付1枚
  • 猶予中は納税証明書「その3」が出ない。分割が遅れると取り消される
  • 差押えは5年で5.4倍。黙って遅れず、税務署に電話

関連:消費税が払えない時/税金滞納でも使えるファクタリング/インボイスの2割特例と3割特例/資金繰り表の作り方/セーフティネット保証

確認した情報:国税庁「猶予制度の概要・申請方法」「猶予の申請の手引(令和8年4月)」「国税の納税の猶予制度FAQ(令和6年11月)」「延滞税の割合」「延滞税の計算方法」、国税庁レポート2025、財務省「令和6事務年度 国税庁実績評価書」「令和4事務年度 国税庁実績評価書」(業績目標1-4-2)、e-Gov法令検索「国税徴収法」151条・151条の2・152条、「国税通則法」46条・63条、「租税特別措置法」94条(いずれも2026年10月17日確認)。件数の表、延滞税の試算、猶予中の割合は当サイトの集計・計算です。順位や成果を約束するものではありません。

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