ファクタリング(請求書買取)

ファクタリングの仕訳と確定申告|個人事業主の勘定科目・消費税と、ペイトナー・ラボルの明細どおりの仕訳例【2026年10月】

ファクタリングを使ったら、入金時に「売掛金」を消し、手数料を「売上債権売却損」(または「支払手数料」)で経費にします。2社間では、あとで取引先から入った報酬を「預り金」にしてファクタリング会社へ送ります。売掛金の譲渡は消費税が非課税です(国税庁)。この記事では、ペイトナー・ラボルの実際の明細に合わせた仕訳例と、源泉徴収・年またぎ・確定申告の書き方をまとめます。

※この記事は広告(PR)を含みます。税金の扱いは国税庁の資料(令和8年4月1日現在法令等)で確認した範囲で書いています。個別の判断は税理士か税務署に確認してください。

30秒で分かる結論

  • 手数料は経費。科目は「売上債権売却損」か「支払手数料」で、毎年同じ科目を使う
  • 2社間は、取引先からの入金を「預り金」にして、ファクタリング会社へ送る
  • 売上は請求した年、手数料は売った年の経費
  • 売掛金の譲渡は消費税が非課税。手数料は仕入税額控除の対象外
  • ペイトナーは振込手数料330円が引かれる、ラボルは返す時の振込手数料が自分持ち

2社間と3社間の手数料の違いや、個人事業主がどちらを選べるかは、2社間と3社間ファクタリングの違い(16社の公式手数料)で比べています。

ファクタリングの仕訳は?|結論は「売掛金を消して手数料を経費に」

結論入金時に売掛金を消し、手数料を売上債権売却損か支払手数料で経費にします。2社間は預り金も使います。

「ファクタリングで助かったけど、帳簿にどう書けばいいか分からない」「取引先から入ったお金は売上?」――。ファクタリングは借入ではないぶん、仕訳で迷う人が多い取引です。

この記事では、実際の会社の明細(何が差し引かれるか)に合わせて、そのまま使える仕訳例を作りました。手数料の相場はファクタリングの手数料相場、手取りの計算は手数料の計算機でも確かめられます。

【規約で確認】会社ごとに「差し引かれるもの」が違う

結論ペイトナーは手数料と振込手数料330円、ラボルは手数料だけ。ラボルは返す時の振込手数料が自分持ちです。
会社受け取る時に差し引かれるもの取引先から入金された後に払うもの仕訳で気をつけること
ペイトナー手数料10%+振込手数料330円受け取った報酬の全額を、指定の期日までにペイトナーへ送金(遅れると年14.6%の遅延損害金)330円は手数料とは別の行(支払手数料)に分けると明細と合う
ラボル手数料10%のみ請求書の金額をラボルへ送金。振込手数料は自分で負担(期限は支払期日+3日)返す時の振込手数料を、その日に支払手数料で記録
FREENANCE 即日払い手数料3〜10%+振込手数料(350円か実費の高いほう)取引先の入金先は「フリーナンス口座」口座の明細に合わせて記録。率が毎回違うので明細で確認
QuQuMo見積もりで決まる手数料取引先から入金された報酬をQuQuMoへ送金(2社間)契約書・明細の金額で記録

※各社の利用規約・よくある質問を当サイトが要約(2026年10月9日確認)。ペイトナーの振込手数料は公式の料金ページの金額です。表は横にスクロールできます。

【仕訳例】10万円の請求書をペイトナーで現金にした時(2社間)

結論請求、ペイトナーからの入金、取引先からの入金、ペイトナーへの送金の4回、仕訳をします。

前提:10月31日に10万円を請求(支払日は11月30日)。11月5日にペイトナーへ売り、手数料10%+振込手数料330円を引いた89,670円を受け取りました。

日付借方金額貸方金額
10/31 請求した売掛金100,000売上高100,000
11/5 ペイトナーから入金普通預金89,670売掛金100,000
売上債権売却損10,000
支払手数料330
11/30 取引先から入金普通預金100,000預り金100,000
12/1 ペイトナーへ送金預り金100,000普通預金100,000
  • 11/30の入金は自分の売上ではなく、ペイトナーに渡すお金なので「預り金」(または「未払金」)にします
  • 12/1に送金する時の銀行の振込手数料は、別に「支払手数料」で記録します
  • ラボルの場合:11/5の入金は90,000円で、330円の行はありません。そのかわり、ラボルへ返す時の振込手数料を支払手数料で記録します

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手数料が一律で明細が分かりやすいペイトナーなら、仕訳もこの形のままです。

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審査があります。手数料は一律10%+振込手数料330円。初回は50万円まで。

3社間なら仕訳は2回だけ

結論取引先がファクタリング会社に直接払うので、預り金の仕訳はいりません。請求と入金の2回で終わります。
日付借方金額貸方金額
請求した売掛金100,000売上高100,000
入金(手数料5%の例)普通預金95,000売掛金100,000
売上債権売却損5,000

3社間は取引先に知らせて直接ファクタリング会社へ払ってもらう方法なので、自分の口座を通るお金がありません。そのぶん仕訳は少なくなります。

源泉徴収される請求書の仕訳

結論売上は報酬の全額、売掛金は源泉徴収後の額。ファクタリングに出すのも差引額で、源泉税は事業主貸にします。

前提:報酬10万円、源泉徴収税10,210円(10.21%)。取引先から振り込まれる予定の89,790円をペイトナーに売った場合です。

日付借方金額貸方金額
請求した売掛金89,790売上高100,000
事業主貸(源泉所得税)10,210
ペイトナーから入金普通預金80,481売掛金89,790
売上債権売却損8,979
支払手数料330
  • 取引先から実際に振り込まれるのは源泉徴収後の89,790円なので、ファクタリングに出す金額も差引額で考えます
  • 売上は10万円のままです。源泉徴収された10,210円は、確定申告で精算します(個人事業主は「事業主貸」で処理するのが一般的)
  • 源泉徴収がある時の請求書の作り方と手取りはペイトナーに出す請求書の作り方で説明しています

年をまたぐ時は「売上は請求した年、手数料は売った年」

結論12月に請求して1月に売ったら、売上は前の年、手数料は次の年の経費です。決算では売掛金が残ります。
日付借方金額貸方金額
2026/12/25 請求した売掛金100,000売上高100,000
2027/1/8 売った普通預金89,670売掛金100,000
売上債権売却損10,000
支払手数料330
  • 売上は請求した2026年分、手数料(売却損)は売った2027年分になります
  • 2026年の決算では、売掛金10万円が残ったままになります

※仕訳例は、発生主義で記帳している個人事業主を想定して当サイトが作成しました。現金主義を選んでいる人や、契約に買い戻しの義務(償還請求権)がある人は、扱いが変わるため税理士に確認してください。

勘定科目は「売上債権売却損」と「支払手数料」のどっち?

結論どちらでも問題はありません。大事なのは毎年同じ科目を使うこと。青色申告決算書には空欄に科目を作って書きます。
科目よいところ気をつけること
売上債権売却損何の費用か、あとで見て分かりやすい青色申告決算書にはもともとないので、空欄に科目名を書く
支払手数料決算書や会計ソフトにもともとある科目で入れやすい振込手数料など、ほかの手数料と混ざる

取引先から入ったお金をファクタリング会社に渡すまでの科目は、「預り金」でも「未払金」でもかまいません。こちらも毎回同じ科目にそろえましょう。

【国税庁で確認】ファクタリングの消費税

結論売掛金の譲渡は非課税で、手数料は仕入税額控除の対象外です。課税売上割合の特別な計算もいりません。

消費税の申告で2割特例を使っている人は、2026年分が最後です。2027年分からの3割特例と簡易課税の比べ方はインボイスの2割特例の終わりと3割特例をご覧ください。

項目扱い根拠
売掛金をファクタリング会社に売ること非課税(金銭債権の譲渡)国税庁 タックスアンサーNo.6201
手数料(売上債権売却損)消費税はかからないので、仕入税額控除の対象外同上
課税売上割合の計算自分の売上から生まれた売掛金を売った額は、譲渡額の5%を総売上高に加える計算の対象外国税庁 タックスアンサーNo.6405(消費税法施行令48条2項)
もとの売上売上そのものは今までどおり課税売上―
  • 「非課税または対象外」と書かれることもありますが、売掛金の譲渡そのものは「非課税」です
  • 免税事業者や簡易課税を選んでいる人は、課税売上割合を計算しないので気にしなくて大丈夫です
  • 振込手数料の行の消費税の区分は、明細の表示を見て、迷ったら税理士か税務署に確認します

確定申告の書き方|青色申告決算書・収支内訳書

結論手数料の合計を経費の欄に書き、売上は請求した額のまま。契約書や明細は原則7年(書類によっては5年)保存します。
  • 青色申告決算書:経費の空欄に「売上債権売却損」と書いて合計額を入れるか、「支払手数料」に含めます
  • 収支内訳書(白色申告):「その他の経費」の欄に入れます
  • 売上:ファクタリングで受け取った額ではなく、請求した額のまま書きます
  • 保存する書類:ファクタリングの契約書・買取の明細・入金と送金の記録

freee・弥生・マネーフォワードなどの会計ソフトでも、上の仕訳を「取引の登録」や「振替伝票」でそのまま入力できます。なお弥生には、ラボルと提携した「labol ファクタリング for 弥生ユーザー」というサービスがあります。

借入金にする場合がある?|買い戻しの義務(償還請求権)があるか

結論取引先が払わない時に自分が買い戻す契約なら、借入に近い扱いになることがあります。契約書で確かめます。

ペイトナーの利用規約は、取引先が支払いを怠っても、規約に別に定める場合を除いて譲渡代金の返還を求めないと定めています(第8条6項)。一方で、ファクタリング会社によっては、取引先が払わない時に利用者が買い戻す契約(償還請求権あり)もあります。その場合は借入に近い扱いになることがあるので、税理士に相談しましょう。契約書のどこを見ればよいかはファクタリングの契約書チェックにまとめています。

仕訳がかんたんなファクタリングを選ぶなら

結論手数料が定額で明細が分かりやすい会社だと仕訳も楽です。ペイトナーとラボルは手数料が一律10%です。

手数料の率が毎回変わる会社は、明細を見ないと仕訳が作れません。一律10%のペイトナーとラボルなら、請求額から手取りと手数料がすぐ分かります。4社の違いは個人事業主・フリーランス向けファクタリング4社比較、「先払い」サービスの仕組みの違いは報酬先払いサービス比較で比べています。

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あわせて読みたい:源泉徴収された報酬の計算と確定申告での精算

よくある質問

結論手数料は経費で、消費税は非課税。2社間の入金は預り金にし、売上は請求した年に計上します。
ファクタリングの手数料は経費になりますか?

なります。「売上債権売却損」か「支払手数料」で記録します。

ファクタリングの手数料に消費税はかかりますか?

かかりません。売掛金の譲渡は非課税です(国税庁 タックスアンサーNo.6201)。仕入税額控除の対象にもなりません。

2社間で取引先から入ったお金は売上ですか?

売上ではありません。ファクタリング会社に渡すお金なので「預り金」(または「未払金」)にします。

個人事業主はどの勘定科目を使えばいいですか?

「売上債権売却損」か「支払手数料」です。どちらでもよいので、毎年同じ科目を使います。

12月に請求して1月にファクタリングした時は?

売上は12月(請求した年)、手数料は1月(売った年)の経費です。

源泉徴収される請求書はどうなりますか?

売上は報酬の全額、売掛金とファクタリングに出す額は源泉徴収後の額です。源泉徴収された税は確定申告で精算します。

ファクタリングを使ったことは確定申告で書く必要がありますか?

特別な書類はありません。手数料を経費に入れ、売上は請求した額のまま書きます。

課税売上割合に影響しますか?

自分の売上から生まれた売掛金を売った額は、課税売上割合の特別な計算の対象外です(国税庁 タックスアンサーNo.6405)。

まとめ|仕訳の早見表

結論請求で売掛金、入金で売掛金を消して手数料を経費、2社間は取引先の入金を預り金にして送金で消します。
場面借方貸方
請求した売掛金売上高
ファクタリング会社から入金普通預金・売上債権売却損(支払手数料)売掛金
取引先から入金(2社間)普通預金預り金
ファクタリング会社へ送金(2社間)預り金普通預金

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確認した情報(2026年10月9日確認):国税庁 タックスアンサーNo.6201「非課税となる取引」、国税庁 タックスアンサーNo.6405「課税売上割合の計算方法」(いずれも令和8年4月1日現在法令等)、ペイトナー利用規約(第8条)・ご利用料金、ラボル公式のよくある質問、FREENANCE利用規約、弥生「labol ファクタリング for 弥生ユーザー」。仕訳例は当サイトが作成した例です。

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